ネパール結婚事情




●主流はお見合い
ネパールでは、今でも結婚に至る過程はお見合いが主流。「ラブマリッジ」と比べて圧倒的にアレンジ婚が多い。カーストの問題ももちろんあるけど、ラブマリッジに失敗する(結婚までに至らない)と特に女の子の方が痛手が大きい。「あの娘、だれそれさんとつきあっていた人でしょ。」という目で見られるので、いわゆる「傷物」になってしまうのです。まあ、男の方だって、「お前責任取れよ」という目で見られるんでしょうけど。

お見合い相手は結婚が可能なカーストの中から、さらに星占いによって相性のよいもの同士が選ばれます。そして、まず仲人さんを通して会ってみて、お話をします。気が合えばそれで決まり、合わなければもちろん断ることもできます。でも、「う〜ん、この人、悪くないわ。決めた、結婚します。」ということになっても結婚までの間に何度もデートをすることとかあんまりないみたい。もちろん、婚前交渉なんてとおおんでもない……んでしょうな。

●一泊に相当すること?
「結婚して家に入るその日まで、ダンナさんになる人と2人っきりでしっぽりすることもないなんて、考えられない! お泊まりもできないなんて!」とため息をついたら、ネパール人青年いわく、「一泊しなくても、一泊に相当することぐらいできるよ。ナガルコット(軽井沢みたいなリゾート地)までは車で1時間だからねえ。」と言うじゃないか。……そうか、その手があった。

タカギ君のホームステイしている家でも、11月に上のお兄さん2人の合同結婚式があるんだけど、そのお嫁さんとやらが家に遊びに来た、ということはこの2カ月の間一度もない。人ごとながら「どんなお嫁さんが来るのかしら、ドキドキ、いい人だといいな」なあんて期待と不安に胸を膨らましているタカギ君であった。あと1月後には新婚世帯がいっきに2つだぜ。しかも、上のお兄さんは歌手で俳優さんで超ハンサムと来てるんだ。うーん、緊張するなあ。緊張するなああ。おおお、なんか、タカギ君変だぞ。


●いなかでは幼児婚も
……お見合いと言えば、先日学校で見た、ユニセフが作ったとかいうビデオ映画はかなり激しい内容だった。
10歳の女の子の「ウジェリ」が、分けわかんないまま結婚させられ、嫁ぎ先では家事をいっさい任されて、学校にも行けないという話。ホントに、子供の人権なんて関係ない、って感じ。(それに、ダンナも12歳なのよ。)ウジェリのおばあちゃんの「あたしが結婚したのは6歳のときじゃった、ウジェリももう嫁に行ってもいい頃じゃ。」という一言で決まっちゃうんだもんなああああ。先に嫁いできていたお兄さんお嫁さんも15歳ぐらいの女の子で、彼女は初めての子供を出産したとき、産後の肥立ちが悪かったかで死んじゃうの。

田舎の村ではいまだに6歳から10歳ぐらいの子供が親の言うとおりに結婚しなくてはならなくて、特に女の子は「どうせ人の家にくれてしまうものだし」ってんで、教育も満足に受けさせてもらうことができないし、食事(栄養)も男の子と比べて後回しにされがちなんだそうです。
Aクラスのマンジュール先生という人のお母さんも6歳で嫁いだとかで、彼は、涙をはらはらと流しながら「母の辛さを思って泣いてしまいました」といってました。