「あ…着替えてくるの?そのままでもいいじゃん。ウソ、お色直しもするの?(^_^;)」1999年9月13日



解説:下宿先のウチの家族は、写真が大好き。とくにリトゥとバルサ(一番上のお兄さんの娘。17歳と18歳)はお年頃で、写真の写り具合にはうるさい。私の一眼レフで写真を撮ってくれい、とおねだりするもんだから、よっしゃ、撮ったろかい、と腰をあげたら、いそいそと着替え始めた(もう夜の9時すぎだよ)。

 髪もとかして、お気に入りの髪どめをしている。いわゆる気合い入ってる状態である。でも、レンズを向けると……緊張して表情が固くなる。そんな、怖い顔しないで、笑って、笑って。……でもだめ。リトゥが、お母さんにも「マミー、写真、写真」と勧める。ピーター(お兄さんのお嫁さん、という意味のネワール語)は、はじめ「私はいいわよ、もう、いいって、いいって」と言っていたが、気がついたら鏡の前で赤いサリーに着替えて、髪をとかしていた。「どう、きれいかしら?」ときかれて、「ラムロ ツァ(きれいですよ)」と答えるが、やはり、緊張して表情が固い。だからぁ、笑ってよおお。

 気がついたら、リトゥとバルサが別の服に着替えてスタンバイしている。(もう10時だよ)。でも、何枚とっても、おんなじ顔なんだもんなあああ……という場面に立たされたときの一言。(できあがった写真はいうまでもない)。




















「うわ、また男同士で手をつないでるぅ……」
1999年10月4日





解説:カトマンズの町なかでは、恋人同士のように、仲睦まじくお手々つないで歩いている男同士をよくみかける。口ひげをたくわえたイカついヤカラが指を絡めあって歩いている様は、今となっては見慣れた光景とはいえ、ガイジンには異様だ。「ううむ、カトマンズにはホモが多いのだなあ……」と思っていたのは今は昔。ネパール人の男友達に「なぜ?なぜ?」と興味津々で尋ねたことがあるものの、「親しい友達とかわす愛情表現のひとつにすぎないよ、変なこと考えないで」と逆にたしなめられる。しかしタカギ君はひそかに「女の子とそうできない」から、その代替行為なのでは、とニラんでる。(ちなみに女の子とそんなことして町を歩いていたら、噂が一日でカトマンズ盆地を駆け巡るそうな。一夜開けたら誰でもヒーロー?う〜ん、YAな気持ち。by 沖田弘之)。
 この日もキルティプールの居酒屋で、友達同士でチャン(お米でできたワイン)を飲んでいたら、のれんをくぐって入ってきた兄ちゃん達が手をつないでいた。ちょっと酔いが覚めたなあ、……という場面に立たされたときの一言