ネパールに住んでいる人間がネパール国内を旅行して思うこと。



今回の旅行で訪れたポカラのレイクサイドを歩いていたとき、東洋人らしき女性から「アー ユー コリアン?」と声をかけられた。「ノウ アイム ジャパニーズ」というと、「え?日本の人ですか?」と日本語で驚かれた。彼女は大学の夏休み中に、友達とアジアを旅行していて、今日は夕食に韓国料理が食べたいなーと思って、通りかかった「韓国人らしき風貌だったタカギ君」に声をかけてきた、というわけ。

友達2人も合流して、しばし立ち話をして過ごした。2カ月の旅行の予定で日本をでて、今1カ月が過ぎたところだそうだ。タイからインドに向かい、そのあとカトマンズへ。その後、ポカラでゆっくりしたあと、再びインドに戻ってインドネシアに飛び、タイに行ってから日本へ帰国するのだそうだ。

2カ月の旅費を聞いてたまげた。飛行機代を含めて15万。半分以上が飛行機代とビザ代だとして、残り約6万円が旅の生活費だ。1日1,000円弱で生活しているのだろう。1泊250Rs.の部屋に3人で泊まり、朝はバナナとビスケットを食べて、移動はすべてローカルバスだそうだ。1,000円といえば600Rs.ほどか。まさに「地球の歩き方」を実践しているような娘たちだった。

実はタカギ君はそういう貧乏旅行をしたことがない。現在ネパールで暮らしているが、ネパール国内を旅行するにしても1日600Rs.という予算では、こわくて旅ができなくなってしまった。それなりに快適な部屋に泊まり、めちゃめちゃな値切りはせず、食べたい物を食べ、行きたいところに行く、これが少なくとも今のタカギ君にとって、ネパール国内でリフレッシュする旅に必要な、最低条件になってしまった。貧乏旅行に目を輝かせている彼女たちの若さがちょっぴり羨ましくも感じられた。



しかし、タカギ君は思うのだが、ネパールのような、外貨を持っている人間には超低価格な国に来て、さらに何十日も滞在しないような人ならば、移動に高級バスを使ってみたり、日本では泊まれないようなハイクラスホテルに泊まってみたり、奮発して夕御飯を豪勢にしてみたりしながらネパールの旅を楽しむのもいいとおもう。なにかひとつでも思い切って奮発した旅行をすれば、自分に対してもごほびをあげたような気分になれるし、ネパールの新しい一面を見つけることだって出来るはず。

安かろう悪かろうはいわずもがな。高くたって悪いものもあります、もちろん。でも、良心的な値段で素晴らしいサービスを提供しているネパールに住む仲間達のことも知ってもらえたら、ネパールの旅がますます楽しく、味わいの深いものになると思うのです。



(写真は今回泊まったホテル。上/左はマムズガーデン。
右はリバーサイドリゾートのコテージ)