トリブバン大学 ビソバサキャンパス授業情報
(99年8月段階での情報です。あくまで参考程度にお読み下さい。現在の情報が知りたい方はメールでご質問下さい)




●ビソバサはカトマンズのネパール語学校
タカギ君の通うトリブバン大学付属ビソバサキャンパスは、地元のネパーリーも通う外国語専門のキャンパス。12種類の言語を扱っているけど、外国人が受講できる言語は、ネパール語、ネワール語、チベット語、サンスクリット語の4種類。このほか、地元のネパーリーのために、日本語、英語、ドイツ語、中国語、スペイン語、中国語、ウルドゥー語、フランス語があります。

一昔前(といっても、今もあんまり変わらないけど)、外国人がビソバサに入るというのは、ネパールに長期滞在するためのビザを取得するため、という理由が一番で、実際、旅先で立ち寄ったネパールが気に入ってしまって、「もうちょっと居ようかなあ」というノリで、語学学校に入学手続きをしてしまった人もいるくらい。観光ビザでは5カ月までしか滞在できないので、長期滞在には、学校に入学手続きをして学生ビザを取るのが一番確実な方法なのだなあ。

●クラスの半数以上が日本人
タカギ君のいるBクラスのクラスメートは全部で26人。内、日本人が16人もいるんだぜぇ。ネパール語1年生のクラスは3クラスあって、全部で70人くらいの学生がいます。ウチのクラスの出身国別の内訳は、日本人16人、アメリカ大陸人5人(アメリカだか、カナダだかはっきりわからないので、こういう表現で許して〜)、韓国人2人、マレーシア人1人、フィリピン人1人、シンガポール人1人 となってます。

1年生の授業は午前11時から午後1時まで。2時間のあいだに15分間のティーブレイクが入ります。エ?そんだけしか授業ないの?……そう、そんだけしかないの。だから、学校の授業だけで話せるようになろうなんてムリムリ。放課後の課外活動でしっかり実践しないと、1年たっても2年たっても、この密度のうすい授業ではネパーリーとは渡りあえないよ。

(補足:しかし、2年生になったとたんに鬼のように難しくなる。2年以上を受け持つ先生は言語学のスペシャリストで、1年生のときの授業がいかにお粗末だったとしても一切容赦しない。いわく、勉強は自分でするものだ。よって、2年生にあがってからが本当の大学のネパール語の授業らしくなる)

タカギ君は、放課後の課外活動で楽器と歌を習いはじめたので、そこが実践かつナヤ・サブダ(新しい単語)の習得の場なのであった。歌の意味を説明してもらうのも、ネパール語(と英語のチャンポン)よ。わかんない言葉の説明をわかんない言葉でされるなんて、まあ、なんてファンタスティックなの!

●授業はどんなかな?
授業は80%ネパール語で行われます。残りの15%は英語。で、授業の潤いのための日本語が5%ほど。先生は日本にも仕事でいったことがあって、横浜がいたく気に入っているとか。ウチのムクンダ先生は、今年からクラスを任されるようになったとかで、かなり気合い入ってます。初めのひと月は毎日のように宿題がでました。一つひとつ添削しては翌々日に返します。26人分って、結構な量よ。そんで就寝時間が連日11時、12時になってしまう。「ケ ガルネ!(どうしたらいいんだ)」と嬉しい悲鳴をあげていたムクンダ君でしたが、ついに息があがってしまったようで、最近は宿題ありません。(みんな結構ホッとしている)。

しかし、26人って結構な人数で、一人ひとりに目が届かないのも否めない事実。一人ひとりの発音を矯正するとか、わかるまで根気よく説明してあげるとかは、もうほとんど不可能。加えて、教室がヒジョーに狭い。先生に指されて黒板の前にでてゆくのも一苦労。さらに、教科書を使って授業をしないんだものなぁ。(〜はぁ、ため息)初めに買わされたテキストを使って授業をしてくれないので、後でわかんないことがあって本で確認したいと思っても「……で、ドコがソコに相当するの?」か、わかんないのよぉ。さらに、強制して買わされたテキストではなく、「欲しい人は注文するように」と言っていたテキストを最近参考に開かせるので、買わなかった人からは文句がでている。……うううう。


●授業の進め方はどんなかな?
授業には時々プリントを使ったりします。でもほとんど、先生が黒板に書いたセンテンスが主な教材になります。でも、印刷物のスペリングと人の手によるものは違うことがあります。どっちが本当なんだ!!会話の時間が少ないのを気にした先生は、時々「さあ、今から10分間、隣の人とネパール語で話すんだ。いいね、はい、はじめ!」なんていうこともあります。

で、ある時も突然「過去形」の話を始めたので、「おお、新しい文法だぞぉ」と襟を正して先生の言葉に聞き入っていたのだが、いっこうに過去形の話のように聞こえない。「なんなんだ、これは」……とざわざわしていると、過去形の話と一緒に、「自動詞」と「他動詞」の文法上の細則を説明していて、そっちの方が理解するのが難しい高等な文法事項だったことが判明する。ムクンダくううううん。
過去形やるなら、活用の同じグループだけをまとめて、活用の仕方だけ先にやって欲しかった。ほら、ほら、テストでしっかり間違えちゃったじゃないかああ。

授業の進め方はお世辞にも上手!とはいえないムクンダ君ですが、彼は生徒思いなことにかけてはピカ一です。私のお稽古ごとの先生を紹介してくれたのも彼です。彼がいなかったら、私はこんなに充実した学生生活が送れなかったとおもってます。ほんとに、ほんとにそうよ。ムクンダ君ありがとう。だけど、もう少し、授業の進め方考えてね。