「……なあ、紫龍、一輝。俺、人間は皆平等だと思うぜ? だけど、人には、向き不向きとか、得手不得手とかってのは絶対あると思うんだ、瞬がほんとは強いことも、瞬がちゃんと男だってことも、俺、知ってるけどさ、はっきり言って瞬が上やるなんて……」

話をする時、物を考えて話すことの滅多にない星矢が、珍しく言葉を澱ませる。

一呼吸おいてから、星矢は、貴重にして珍重な彼の熟考の結論を、二人の仲間に披露した。


「不自然だと思うぜ」






――星矢のその言葉への、紫龍と一輝からの返事はなかった。








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