氷の国星の小人たちが現れてから、メイドロボたちは、ずっと不安な気持ちでいました。 氷の国星の小人たちのようになれない自分たちが、もどかしくて焦れったくて仕方がありませんでした。 もし氷河と瞬に嫌われるようなことになったらと思うと、メイドロボたちはもうそれだけで胸が張り裂けてしまいそうだったのです。 なのに。 大好きな瞬に、自分たちは自分たちのままでいいのだと言ってもらい、その上、自分たちの幸せを願っていると言われてしまっては──。 メイドロボたちの瞳にじわりとにじんできた涙は、すぐに大粒の涙になって、ぽろぽろとテーブルの上に零れ落ちました。 メイドロボたちは嬉しくて嬉しくて――嬉しくてたまらなかったのです。 「や……やだ、泣かないで。そうだ、メイドロボちゃんたちにも、おやつあげるね。プリンにカラメルたっぷりかけてあげる」 「わ…わーい! 今日のおやつはプリンだーっっ !! 」× 15 いくら瞬の言葉に感激したからって、いつまでもぐずぐず泣いていたら、瞬を困らせることになります。 踊って食べれるメイドロボたちは、あふれる涙を拭って歓声をあげました。 そして、まもなく、メイドロボたちの前に置かれたのは、カラメルとホイップクリームとイチゴで飾った大きなプリン。 メイドロボたちの歓声が、ひときわ大きくなります。 その歓声を聞きつけた氷の国星の小人たちは、ふいに、非常用食料を食べるのを中断しました。 そして、彼等は、平安時代からタイムスリップしてきたおじゃる丸のような目で、メイドロボたちの前に出現したプリンをじっと見詰めました。 氷の国星の小人たちは、メイドロボたちの前に差し出されたプリンに、いったい何を感じているのでしょうか。 それは、氷の国星の謎を解く重要な鍵なのでしょうか。 嵐の予感をはらみつつ、お話は次回に続きます――。 |