ところが、なんということでしょう。

粉ふるい、ボール、泡立て器――。
パンケーキ作りに必要な調理器具は、どれもみんな大きくて重くて、氷の国星の小人たちが押しても引いてもびくともしません。
氷の国星の小人たちは、10万馬力のメイドロボたちとは違うんですから、仕方のないことですよね。

瞬は、苦笑しながら、氷の国星の小人たちにテーブルで待っているように言おうとしたのですが、小人たちにはそんなつもりはまるでないようでした。
デリケートで偉いかどうかはともかくも、氷の国星の小人たちがいつも前向きで一生懸命なのは事実なのです。

「どうしよう……。勤労奉仕ができないよ」
「このままじゃ、誉めてもらえないよ」
「仕方ない。あの方法を使おう」
「あれをするの」
「この状況じゃ、やむをえないよ」

「そうだね……。ちょうど今は、ここの氷河さんもいないし」
「お他所の氷河さんの前では絶対にしちゃいけないって、氷河に言われてるもんね」
「今はチャンスだよ」
「そうだね。よし、やろう!」
「おお〜〜!」× 15

泡立て器の陰での話し合いが済むと、氷の国星の小人たちは早速、いつもの合図と号令です。

「フォーメーションG、スタンバイ!」
「ラジャー!」
「用意はいいか」
「スタンバイ完了」
「位置につけ」
「よ〜い、どん!」


いったい氷の国星の小人たちは何をするつもりなのか──。
そう思いながら、宇宙からの来訪者の様子を眺めていた瞬とメイドロボたちの前で、次の瞬間、信じられないことが起こりました!







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