「お願いがあるの……。おっきい瞬ちゃん」 氷の国星の小人たちは、先程の失敗のせいで、少し控えめになったようでした。 いえ、もちろん、氷の国星の小人たちは、最初からずっと礼儀正しく控えめでしたけどね。 「なぁに、小人さんたち?」 瞬が尋ねると、小人たちは、極めて控えめな様子で、テーブルの上から瞬を見あげました。 「うん、あのね……」 「僕たち、おやつをいただいた後はお昼寝しないといけないから、眠る場所を用意して欲しいの……」 小人たちは、引き続き控えめです。 「健康の為にお昼寝はとっても大切なの。だから、寝心地の良いお布団があると、とっても嬉しいの……」 小人たちは、まだまだ控えめです。 「枕も安眠の為の重要なアイテムだから、ふかふかで、柔らかすぎなくて、高さも程良い枕があるとすごく嬉しいの……」 充分控えめです。 「あと、お洋服のままで眠るとお行儀悪いって氷河に怒られるから、パジャマも貸して欲しいの……」 多分、控えめです。 「氷河はいつも、おめざを用意してくれるんだけど、地球にもそういう習慣があると嬉しいの……」 控えめかもしれません。 「おめざは、なんてったってミルクと水晶ビスケットの組合わせがサイコーだよね!」 …………。 「そうだよね〜! でも、水晶ビスケットは地球にないだろうから、代わりに美味しいビスケットがあればそれで満足だよね」 「うん、僕たちって控えめー!」 「ほんと、控えめだよねー!」× 15 ■注■ 『控えめ』というのは、『言動を遠慮がちにすること』です。 |