近未来の地球氷河と瞬の家の庭を突っ切り、途中、アリさんの行列に出会って信号待ちをしながら、氷の国星の小人たちとメイドロボたちの隊列は、無事、メイドロボハウスに到着しました。

「庭付きの一戸建てに住んでるんだね、メイドロボさんたち」
「可愛いおうちだね」
「家具の趣味もいいね」
「こんなおうち、僕たちも欲しいね」

「氷河、作ってくれないかな、可愛いベッドを15個」
「洒落た椅子も15個」
「15人用の円卓」
「くまさんのスリッパ」
「アンティーク風のチェストや戸棚」
「いい子にしてたら、作ってくれるかな」
「結晶クッキーお徳用分の何百倍もいい子にして、あの方法も使えば、もしかしたら……」

「何百倍って、ポイント何百点分も?」
「一気に何百点もポイントをゲットすることってできないかしら」
「うーん。どんないいことすれば、一気に何百点もたまるかなぁ」

「一度に何百点っていったら……突然現れて大暴れする悪い宇宙怪獣をやっつけるとか(ウルトラマン風)」
「存亡の危機に陥っている星を救うために、自分が乗ったロケットごと太陽に突っ込むとか(鉄腕アトム風)」
「悪い星の放射能攻撃を受けて汚染された星に、放射能除去装置を持っていってあげるとか(宇宙戦艦ヤマト風)かしら」

「どっちにしても、どこかの星が危険にさらされてなきゃできないね」
「悪者が現れないと、正義の味方もただの人ってことだね」
「難しいね〜」× 15

とかなんとかおしゃべりをしながら、氷の国星の小人たちは、メイドロボに貸してもらったパジャマに着替え、お昼寝の準備も万端です。

「じゃあ、僕たち、お昼寝しますから、おめざの準備ができた頃に起こしてください」
「優しく起こしてね」
「僕たち、目覚ましの音は嫌いだから」
「よろしくお願いしまーす !!」× 15

氷の国星の小人たちは、相変わらず大変丁寧で控えめです。

「了解しました。優しく起こすんですね」
「うん。じゃあ、お休みなさい〜。ぐーすかぴー」× 15


地球に迫り来る危機のことも知らず、氷の国星の小人たちは、『おやすみなさい』を言うなり、深い眠りに落ちていきました。
見知らぬ星に不時着したり、合体にエネルギーを使ったりして、氷の国星の小人たちは、実はとっても疲れていたのかもしれません。


ともあれ、この時点で、エマージェンシーコール発信までには、あと5分の猶予がありました。


そして、メイドロボたちが、氷の国星の小人たちの真似をして & バリエーションをきかせて、一列横隊で手をつなぎ、ご主人様氷河と瞬の家に戻ってきた時、そのタイムリミットが訪れたのです。

早いですね。







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