そして地球の運命は




価値観というものは、人それぞれ違うものです。

それは、国によって、民族によって、人種によって、宗教によって異なります。
年齢や、今その人が何を持っていて、何を持っていないかによっても違ってくるでしょう。

隣りのおじさんと、お向かいの小学生でも違います。
一緒に暮らしている氷河と瞬でも違うのです。

まして、生まれ育った星が違うとなったら!


氷の国星の氷河が、彼の15人の小人たちを取り戻すために、数十億人の地球人の命を犠牲にしようとしたとしても、それは、責められるようなことではないのかもしれません。
彼には、彼の小人たちの方が大切なのです。
おそらく、彼の目には、地球人がノミかダニ程度の生き物に映っているのでしょう。

ダニ退治をするために、バルサンを焚いたことのある人には、彼を責めることはできません。

地球の氷河には、同じ氷河として、氷の国星の氷河の気持ちはよくわかりました。
地球の氷河だって、もし、自分の瞬がどこかの下等な星に連れ去られるようなことがあったら、その星を滅ぼしてしまうくらいのことはするかもしれませんでした。

そうすることで、彼の瞬を無事に取り戻せるのなら、です。







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