さて、ゴージャス氷河こと氷の国星の氷河は、ものすごいお金持ちですから、夜はゴージャスなベッドで、裸で眠ります。
ゴージャスな男というものは、そういうものなのです。

その上、彼には、
「いい子は、昼間はともかく、夜は合体するもんなんだぞ」
と言われると、喜んで合体する氷の国星の小人たちがいます。

「合体したよ。僕、いい子?」
と、つぶらな瞳で尋ねる氷の国星の合体瞬に、氷の国星の氷河は、
「いい子だから、こっちにおいで」
とか何とか言って、自分が裸で寝ているベッドに、合体瞬を引き入れたりするのでした。




一方、世界一哀れな氷河こと氷の国の氷河は、ゴージャス氷河とは別の理由で、裸で眠ります。
彼は、自分のパジャマを買えないのです。
もし、自分のパジャマを買えるだけのお金があったとしても、そのお金で小人たちのぱんつの布地を買うような男なのです。

けれども、彼には、よなべ仕事をしている時、『氷河、よなべ仕事頑張ってv』のダンスを踊って応援してくれる小人たちがいます。

氷の国の氷河は、ゴージャス氷河がゴージャスなベッドで合体瞬を相手にゴージャスな××をしてることなんて知りません。
ですから、小人たちの応援ダンスを見ると、感激して、
「俺の小人たちはなんて可愛いんだろう。俺は宇宙一幸せな氷河だ。よーし、この仕事が終わったら、次は小人たちのぱんつ作りを頑張るぞー!」
と、徹夜仕事の決意をしたりします。



氷の国の氷河と氷の国星の氷河。
同じ氷河でありながら、片や貧しいお針子、片や大邸宅でマントで軍服な大富豪。
たった一文字の違いが、大きな違い。



でも――。

それでも、氷の国星の氷河と氷の国の氷河は、二人とも同じくらい幸せなんです。

その理由を、みなさんはご存じですよね?







おしまい







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