そんなわけで、氷の国の氷河は、帰国してからずっと苦悩しまくっていました。 その苦悩はいつ果てるともなく続き、氷の国の氷河の苦悩が解消される時を、小人たちは待ちきれそうにありません。 「氷河ーっ! いつまで待たせるの〜?」 「氷河ーっ! 僕、早く、これ、舐めたいよぉ!」 「氷河ーっ! 僕、これ以上待てないっ!」 「氷河ーっ! 意地悪しないで早くしてっ !! 」 氷の国の氷河が、別の意味で言われてみたいセリフを連発して、小人たちは氷の国の氷河を急かします。 「あ、いや、これは、おまえたちに食べさせるために買ってきたものじゃないんだ」 「え……?」 氷の国の氷河の説明を聞くと、小人たちは、途端に、その可愛らしい瞳を曇らせました。 小人たちは、氷の国の氷河が、シロップやクリームを他の人にあげてしまうのかと心配になったのです。 小人たちの不安顔を見た氷の国の氷河は、すぐに小人たちの心配を察して、慌ててその誤解を解いてやりました。 「あ、そーゆーわけじゃなく、もちろん、最終的にはおまえたちの口に入るものだが」 「やだ、氷河、びっくりさせないで〜」 氷の国の氷河の言葉を聞いて、ほっと安心した小人たちの表情がぱっ☆ と明るくなります。 「僕なんか、一瞬、氷河が独り占めする気なのかと思っちゃった〜」 「やだな。11号ったら。僕たちの優しい氷河がそんなことするわけないじゃない」 「そーだよ、4号の言う通りだよ。氷河は優しいから、すぐ、僕たちにシロップを舐めさせてくれるに決まってるよ! ね、13号?」 「もちろんさ! 僕たちの氷河は世界一優しいんだから!」 「う……」 小人たちは、信頼と期待に満ち満ちた眼差しをじーっっ☆ と氷の国の氷河に向けていました。 はたして、氷の国の氷河は、その眼差しに打ち勝ち、初志貫徹することができるのでしょうか !? |