そうして。

小人たちは、氷の国の氷河を騙した犯人の手がかりを探すため、風のようにキッチンへと駆けていってしまったのです。
ダイニングルームに、がちがち失敗ケーキと氷の国の氷河をひとり残して──。


「ああぁぁぁぁぁ……」
ダイニングの床に、がっくりと両膝を落としてしまった氷の国の氷河は、更に両手を床について、いわゆる落胆&絶望のポーズ。

それがまた、哀しいほどに決まっているのが、氷の国の氷河の哀しいところでした。




いずれにしても、氷の国の氷河には、耐瞬性の前に、お菓子作りの特訓が必要なようです。
けれど、氷の国の氷河がたれたれ瞬ちゃんほど美味しいケーキを作れるようになるまでには、いったいどれくらいの年月がかかるのでしょう?

その時、氷の国の氷河は、よぼよぼのおじいさんになっていたりはしないでしょうか?
小人たちだって、白雪姫の小人たちのように、白いおひげの小人たちになってしまっているかもしれません。



♪ いのち短し 恋せよ小人
   あかきほっぺの 褪せぬ間に
   熱きパンケーキの 冷えぬ間に
   明日のおやつの ないものを





恋は、明日するものではありません。
今 するものなのです!