「じゃあね、氷の国の氷河さんを慰めてあげて。僕たち、これで帰るから」 たれたれ氷河さんにしがみついていた小人たちを全員テーブルの上に降ろすと、たれたれ瞬ちゃんは小人たち一人一人の頭を人差し指の先っちょで、ちょこちょこ撫でてくれました。 いつも元気な小人たちがしょんぼりしているのを見るのは、たれたれ瞬ちゃんも切なかったんでしょうね。 「た…たれたれ氷河……。たれたれ瞬ちゃん……」 やっと、項垂れていた顔をあげた氷の国の氷河と、テーブルの上に整列している小人たちに、たれたれ瞬ちゃんとたれたれ氷河さんは優しい笑顔を見せてくれました。 そして、 「うまくやれよ」 「仲良くしてね」 と、激励の言葉を残して、2人は仲良く舞台から退場していったのでした。 たれたれ瞬ちゃんと、結局使わないで終わってしまったケーキ作り道具一式を持ったたれたれ氷河さんが出ていったキッチンのドアを、氷の国の氷河は感謝の気持ちで胸をいっぱいにして、いつまでもいつまでも見詰めていました。 後ろを振り返れば、そこに、彼の求め続けていたものがあるのですが、氷の国の氷河は、まだそのことに気付いていません。 2人きりの氷瞬城は、オレンジ色の夕日に染まり始めていました。 go to epilogue
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