小人たちの製本作業




それはまだ、氷の国の小人たちがコミケを知らなかった頃のことです。


小人たちは、実は、とても不思議な力を持っていました。
どうしてそんな力が身についてしまったのかは、小人たちにもわかりません。
夢中になってダンスを踊っていると、小人たちはいつのまにか時空を超えて、おいしいおやつのある場所にいるのです。

それは本当に不思議な力。
でも、とても素敵な力でもありました。
ですから、小人たちは、氷の国の氷河に、
「あんまり甘いものばかり食べてると虫歯になるぞ!」
と言っておやつを隠されてしまうたび、輪になって踊るのでした。



そんなある夜のことです。

例によって氷の国の氷河におやつを隠されてしまった小人たちは、テーブルの上で輪になってマイムマイムを踊り始めました。
もともと小人たちはダンスが大好きな上、何といってもおやつを手にいれるためなのですから、ダンスには熱が入ります。
ダンスのスピードは段々速くなっていき、やがてその瞬間が訪れました。

そうです。
小人たちは、時空を超えたのです。