さて、にゃまけもにょさんのお家で生まれて初めての製本作業をした小人たちは、自分たちの作った本のその後がとても気掛かりでした。 あの本を、あの後、にゃまけもにょさんがどうしたのかが気になって気になって仕方がなかったのです。 氷の国の氷河におやつを隠されるたび、小人たちはまたダンスを踊って時空を超える旅に出ましたが、小人たちは二度とにゃまけもにょさんのお部屋に行くことはできませんでした。 にゃまけもにょさんは、小人たちに頼っていたら30冊分の製本に一ヶ月もの時間がかかることを知って、小人たちをクッキーで呼び寄せることをやめてしまったのです。 小人たちはおやつのないところには飛んでいけませんでしたから、再びあの部屋を訪れることもなかったのです。 そんなある日のこと。 いつも世界中の情報収集を心がけている9号が、渡り鳥さんから耳よりな情報を仕入れてきました。 それは、小人たちの大好きなたれたれ瞬ちゃんの住む国で開催されるイベントの情報でした。 なんでもそれはコミケットとかいうイベントで、そこに自分たちの作った本を持っていけば、大勢の人たちにその本を読んでもらえるというのです。 「もしかしたら……」 「うん、にゃまけもにょさんは、そのための本を作っていたのかもしれないね」 自分たちの作った本を誰かに読んでもらえる――それは、なんて素敵なことでしょう。 小人たちは、自分たちもそうできたらどんなに楽しいだろうと、うっとり夢見心地。 さっそく、氷の国の氷河にペンをもらってお絵描き開始です。 15人は、チューリップのお花や、大好きなケーキや、ケーキよりも大好きな氷河の顔をたくさんたくさん描きました。 そして、それを氷の国の氷河にコンビニでコピーしてきてもらいました。 そこまでできたら、製本作業はにゃまけもにょさんのお家で経験済み。 15日かけて、15冊のコピー誌が完成です。 本ができたら、当然、誰かに読んでもらいたいですよね。 小人たちは、もちろん、いちばんに氷の国の氷河に読んでもらって、たくさん褒めてもらいました。 けれど、コミケットの話を聞いていた小人たちは、それだけでは満足できなかったのです。 小人たちは、氷の国の氷河に頼んで、コミケの参加申し込みをしてもらいました。 そして、もちろん、見事当選! 風雲急を告げる展開で、小人たちは一路コミケ会場へと向かうことになったのです。 |