ともかく、翌日から、氷の国の氷河の刺激計画は始まりました。


まずは、朝ごはん。


「さあ、今朝の朝飯は特別おいしいぞ〜」

氷の国の氷河は、にこやかにそう言って、小人たちをダイニングテーブルの上に乗っけてあげましたが、小人たちは、目の前に並んだ高菜ご飯と、辛子明太子と、辛口のおみそ汁に、ブーイングの嵐です。

「氷河ー! 僕、こんな朝ご飯やだー! 蜂蜜いっぱいかけたパンケーキと、フルーツとシロップたっぷりのヨーグルトがいいー!」
「僕、ストロベリータルト !! 」
「プリンにホイップクリーム!」
「チョコレートケーキに生クリーム!」
「僕の朝ごはんは、フルーツパフェ!」
「縁日で売ってるチョコバナナー !! 」

小人たちも言いたい放題でしたが、昨日まではパンケーキやマフィンだった朝ご飯が、突然辛子明太子になったら、誰だって言いたいことを言いたくなりますよね。

なのに、氷の国の氷河は、
「我儘を言うんじゃない!」
と、いつになくきっぱり。

「日本食は身体にいいんだ。おまえたちの健康を考えて作った朝飯なんだぞ」
男らしくきっぱりと断言した氷の国の氷河でしたが、やっぱり、どこかに父性が見え隠れしています。



「…………」
たれたれ氷河さんは、辛口のおみそ汁をすすりながら、氷の国の氷河は何か間違ってると思っていました。


「…………」
たれたれ瞬ちゃんは、小人たちと同意見でした。