小人たちは、もう半日以上眠り続けています。 翌日の氷の国は、とてもいいお天気でした。 「準備できたよv」 「こっちもOKだ」 たれたれ瞬ちゃんとたれたれ氷河さんの準備も整いました。 たれたれ瞬ちゃんは、両手いっぱいにいろんなお菓子や、氷河たち用の軽食や、レジャーシート、お手拭き、水筒等々のピクニックグッズを抱えています。 お洋服も、白い帽子、薄いブルーのパーカーにショートジーンズ、足元はハイソックス、靴は星柄ワンポイントのスニーカーで、お出かけ準備はばっちり整っていました。 たれたれ瞬ちゃんの持ってきたお菓子の香りに誘われて、小人たちもやっと目を覚まします。 「……この匂いはマドレーヌ」 「くんくん。これはタルトだ」 涙で真っ赤になった目を、小さな手でこしこしこすりながら起きだした小人たちに、たれたれ瞬ちゃんは明るく声をかけました。 「さ、小人さんたち出かけるよ。お帽子かぶって」 小人たちが、おやつの魅力に心を奪われたのは、けれど、ほんの一瞬のことでした。 「だめだよ……。僕たち、氷河のこと、ほっとけないもん」 おやつは食べたいし、たれたれ瞬ちゃんとお出かけだってしたかったのですが、小人たちは氷の国の氷河を置いてお出かけになんか行けそうになかったのです。 「大丈夫。氷の国の氷河さんも一緒に行くんだよ。外でお勉強するんだって。だから、みんなで応援しようよ、ね」 「そうなの !? 」 「氷河が頑張るなら、僕たちも一生懸命応援するよ!」 氷の国の氷河が何をお勉強するのかなんてことは知りませんでしたが、頑張る氷の国の氷河を応援するのは小人たちのお仕事です。 「みんな急いで! お着替え済ませて、せいれ〜つ!」 たれたれ瞬ちゃんの号令に従って、小人たちはてきぱきと整列&点呼を済ませました。 あとは氷の国の氷河を引きずり出して、加害授業へレッツゴー♪ です! 「ところで、氷河のお勉強ってな〜に?」 「なんだろうね?」 ちょっと氷の国の氷河のお勉強の内容は気になりましたが、おそろいのお帽子でのお出かけに、小人たちはすっかりわくわく気分。 るんるん軽快なステップのたれたれ瞬ちゃん。 気合を入れて厳しい表情のたれたれ氷河さん。 神妙な面持ちをしているのに、なぜか情けなさばかりが目につく氷の国の氷河。 一行は、外の世界への1歩を踏み出しました! そして、氷の国の氷河は3歩歩いたところで、コケました。 お約束通りですね♪ |