ところで、今回の加害授業で、いちばん非日常を味わったのは、実は、たれたれ氷河さんでした。 ちこっとあわてんぼさんだけど、天使のように可愛くて、天使よりも優しいたれたれ瞬ちゃんの内面に隠されていた、戦慄の非日常。 それは、たれたれ氷河さんが今まで知らずにいた、たれたれ瞬ちゃんの新たな一面でした。 たれたれ氷河さんの偉大なところは、こんな時に『あわあわ』するだけの氷の国の氷河と違って、 (これからまた、新鮮かつ刺激的なふ〜ふ生活を送れそうだな……フッ) と、クール&セクシーに微笑んで、たれたれ瞬ちゃんの新しい一面を、大いなる愛ですんなり受け入れてしまえるところでしょう。 氷の国の氷河に、たれたれ氷河さんほどの余裕があれば! せめて、合体瞬に、 『合体したおまえは、いつものおまえたちより、ずっとかわいいよ』 なーんてセリフを、さりげなく言えるだけの度胸があれば! 氷の国の氷河には、けれど、そんなものは持っていません。 そんな余裕も度胸もない氷の国の氷河は、今日も、氷の国の氷河瞬城の一室で、ちまちま小人たちのぱんつを縫っています。 幸せの形は人それぞれ。 国それぞれで、氷河それぞれ。 多分、氷の国の氷河は、氷の国の氷河なりに、それでも幸せなのでしょう。 でも――。 いつか、氷の国の氷河にも、もう少し一般的な幸せが訪れるように、皆さん、氷瞬の神様に祈ってあげてくださいね。 (ちょっと違う) |