さて、小人たちは、毎日お風呂に入る時にぱんつを替えることにしています。

15人揃って、わいわい騒ぎながらお洋服を脱ぐところから、小人たちの入浴タイムは始まるのです。







「ほら、騒ぐな。新しいぱんつを配るぞ! 脱いだものは、自分の番号のついた籠にきちんとたたんで入れておくこと! こら、10号! ぱんつをかぶって走り回るんじゃないー!」
という、保父さん氷河の指示に従って、なんとかお洋服を脱いだ小人たちは、一列に並んでお風呂場に向かうのです。


小人たちのお風呂は、氷の国の氷河が使う普通サイズのお風呂場の一画にあります。
洗面器でできた大浴槽と、浅い目のティーカップ15個にお湯を注いだ個人風呂。

大浴槽は、氷の国の氷河がジョウロでかけてくれるシャワー付きで、季節のお花を浮かべて入ります。
個人風呂は大きなお皿の周りにぐるりと置かれていて、身体が温まったら、小人たちは中央の大きなお皿の上で、みんなで輪になって、背中の洗いっこ。

大浴槽、個人風呂で散々遊んだあげく、悶々とするにはあまりにも健全すぎる光景に悶々としている氷の国の氷河に、小人たちは言うのでした。

「氷河ー。氷河はお風呂に入らないの?」
「あ、いや、俺はおまえたちを入れてからゆっくりひとりで……」
「やだやだ、一緒に入ろうよー」
「そーだそーだ、背中の流しっこしようよー!」

「…………」
どーやって流しっこなんかするんだ? と思っても、もちろん、氷の国の氷河はそんなことは口にしません。

「男同士の裸の付き合いって大事なんだよね、お互いを理解し合うのに」

「…………」
もっと別の裸の付き合いの方がずっと理解を深め合えるぞ! と思っても、もちろん、氷の国の氷河はそんなことも言葉にはしないのです。

「氷河、氷河。早くお洋服脱いで」
「〜〜っっ !!!! 」
同じセリフを合体した瞬に言われてみたいー !! と、氷の国の氷河は内心悶えまくりです。

けれど、小人たちは、氷の国の氷河のそんな苦悶など知るはずもありません。
「えーい、みんなで脱がしちゃえー !! 」

「わーい !!」 × 15


なんということでしょう!
こんな形で、氷の国の氷河が貞操の危機だなんて!






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