「でも、どうしよう……」 人を性癖で差別しようとしない9号はとても立派です。 けれど、その夜の小人たちは、それとは全然別の問題を抱えていたのです。 「僕たち、今夜はすごく合体したい気分だったのにね」 「う…うん……」 さすがの9号も、15号のその言葉には、ちょっと意気消沈してしまいました。 そうなのです。 実はそうだったのでした。 「あの分だと、合体しても、氷河は僕たちの相手なんかしてくれそうにないね……」 15号がとてもとても寂しそうに呟きます。 「で……でも、せっかく氷河が商売の楽しみに目覚めたところなんだから邪魔しちゃいけないよ!」 9号は、仲間たちを、そして自分自身を励ますように健気に言い放ちました。 「うん、そうだね……。邪魔しちゃいけないよね……」 少し未練を残しながらも、小人たちは9号の言葉に頷いたのです。 「そうだよ、邪魔しちゃいけないよ! 僕たちは、今夜は別の部屋で静かに眠ろう」 9号だって、本当はとても辛かったんです。 けれど、いつも自分たちを見守っていてくれる氷の国の氷河が、自分の生きる道(?)を見つけたというのなら、その道を妨げないことが愛なのだということも、『お利口』担当の9号にはちゃんとわかっていたのでした。 「うん、そうしようね……」 がっかりした様子でそう呟きながら、それでも愛する氷の国の氷河のために合体欲求を抑えようとする仲間たち。 9号は、自分がこの仲間たちの仲間だということに、誇りをさえ感じたのでした。 ぱんつに込められた愛が通じないことも、たまにはあるのです。 でも、それでもやっぱりぱんつは大事。 それはわかっていただけましたよね? |