ピンク | : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色
| : 9号ちゃん
| 青
| : 氷の国の氷河
| 紫
| : プルーストさん 心の声
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Q31 一番立派だと思う改革は? |
「僕は考えを改めることにしたよ」 「何のこと?」 「人は学歴のみで生きるにあらず、人格や才覚によって、自らの力でのし上がることが大事なんだよ。レールに乗ってるだけのエリート官僚より、現場で叩き上げてきた人の方が経験豊富で多角的に物事を判断できるしね」 「うんうん」 「僕は目先の学歴に気を取られて、大事なことを忘れてしまっていたよ」 「うんうん」 「人生、いかに儲けを多く支出は少なく生きるべきかなんだってことを」 「うんうん」 「今現在、氷河の受験勉強の為に、通信教育・模試・参考書等購入費用の支払いがあるんだけど、当初の予定では、これほど長期化するなんて想定外だったんだよね」 「うんうん」 「しかも必ず合格するという保証もない、極めて不確定な目的に対してお金を出すより、より確実な方へ方向転換するのが得策であり、また、この国の安定を慮る立場にある氷河の為すべき事なんだよ」 「うんうん」 「国民の僕たちも認識を改めなくちゃ」 「うんうん」 「本日をもって『氷河のエリート街道まっしぐら3高で夢みる玉の輿計画』は終了とする」 「異議なーし!」 「大賛成〜(ぱちぱちぱち)」 「では、満場一致で可決とする。続いて本日より始動する『氷河のノーベルンルン芸術賞受賞で時の人・タナカさん化計画』についての詳細な打ち合わせに入る。何か意見のある人は?」 「はい」 「発言をどうぞ、氷河」 「あの〜……。これは俺がノーベルンルン賞をとるという計画……ですよね?」 「もちろん」 「そそそそんな無理なこと……!」 「始める前から諦めちゃうの?」 「大丈夫だよ〜。氷河の刺繍は立派な芸術作品なんだから」 「きっと受賞できるよ」 「もし氷河がノーベルンルン賞をとったら……」 「償金がもらえる」 「海外旅行ができる」 「舞踏会に晩餐会」 「晩餐会には、おいしいアイスクリームが出るんだってね」 「タナカさんみたいに一躍時の人になって人気が出る」 「氷河の刺繍も人気が出る」 「すなわち儲かる!」 「だ……だけど、そう簡単にはいかないんでは……」 「一介のサラリーマンでも、その功績をちゃんと認められるんだから、一応氷の国の王様の氷河の功績が認められないわけがないよ」 「それに日々の積み重ねが大事なんだよ」 「そうそう毎日100枚くらい仕上げ続ければ、きっとノーベルンルン賞選定委員の目に留まる日が来るよ」 「そそそんな……」 「せめて今回の大検でかかった費用の分だけでも取り戻してもらわなくちゃ」 「がんばってね、氷河」 「僕たちも応援するよ」 「そして、受賞の暁には、内助の功のパートナーとして記者会見するんだ」 「よーし、今日のこの日を目標へ向かう第一歩として記念日にしよう」 「おおー!」× 14 こうして小人さんたちと氷の国の氷河の意識改革記念日が定められた。 新たなる目標に向かって、ゆけゆけ氷の国の氷河! (ぼ〜っと成り行きを見てるうちに、全く展開がかわってしもた……。見事な改革や〜) |