ぷぅぷぅ。
ぷぅぷぅ。
ぷぅぷぅぷぅ。

トウガラシの木の上で、辛い辛いトウガラシの実に、小人たちが甘い息を吹き込んでいます。

先のとがったパラソルチョコみたいだったトウガラシの実は、次々に風船みたいにふくらんで、丸みを帯びた優しい姿に変わっていきました。

9号が考えた、辛いトウガラシを甘いトウガラシに変える方法。
それは、氷の国の小人たちの甘いあま〜い息を、辛いから〜いトウガラシの中に送り込むことだったのです。


そうしてみたら、なんて不思議。
あんなに辛かったトウガラシの実は、みずみずしさを増し、果肉まで厚くなり、そしてもちろん、あの辛さも、すっかり消えてなくなってしまったのです。

つやつやの緑色の実は、もう小人たちがかぶりついても大丈夫。
かぷっ☆ とかじると、しゃりっ☆ といい音がして、あむあむ噛み続けているうちに、お口の中には、じんわりと甘い味が広がってきます。

辛い辛いトウガラシは、こうして、甘くてみずみずしい“ぴーまん”に生まれ変わりました。
小人たちは、自分たちの作った甘いぴーまんを、よいしょよいしょと氷の国の氷瞬城まで運び、その日はおいしいグリーンサラダをおなかいっぱい食べたのでした。