(ああ、小人たちが踊ってるな……)


夢うつつの状態でぼんやりと、氷の国の氷河は、小人たちの歌声とステップを踏む軽やかな足音を聞いていました。

小人たちが楽しそうに歌って踊っていてくれさえすれば、自分がどんなに疲れ果てていても氷の国の氷河は幸せでした。

誰に何と言われようと、幸せだったのです。
人の目にどう映ろうとも、幸せでした。


幸せって、そういうものですよね。
幸せは、人の数と同じだけ、この世界に存在するんです。


床に倒れている氷の国の氷河がどんなに哀れに見えても、まるでボロ雑巾みたいでも、そんなことは大した問題ではないのです。


今年のクリスマスも、氷の国の氷河は、世界でいちばん幸せな氷河でした。





Merry Christmas ♪