でも、きっと。 いつか、ジークフリート王子が頬杖をついている窓を閉じ、可憐でたくましいカシオス姫の愛に気付く時がくるに違いありません。 銭形氷河の幸せが、遠い夢のエリシオンではなく、毎日汗みずくになって働いている花のお江戸にあったように、幸せというものは、案外自分の側近くにあるものなのです。 いいえ。 幸せは、憧れ夢見るものではなく、自分のその手で育てるもの。 銭形氷河と彼の小人たちは、そんなふうにして、毎日を幸せに過ごしているのでした。 少しでも早く阿蘭陀国の皆さんにも幸せの日が訪れることを祈りつつ、そろそろ、七つの海を股にかけた壮大なこの物語を終わることにいたしましょう。 それでは皆さん、また会う日まで、ごきげんよう。 今度こそ本当に おしまい
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