さて、時は同じく昔々、ところは変わって、とある南の貧しい島。

アンドロメダ島という島に、大層可愛らしい男の子がひとりおりました。

男の子の髪は、朝露をたたえたバラの花びらよりもつややかで、緑色の瞳はエメラルドよりも美しくきらめいておりました。

この男の子はとても優しい心の持ち主でした。
ですから、島の誰もが男の子を大好きでした。

大好きな相手には、誰もが優しい心で接します。
そういうわけで、男の子の周りには優しい人しかいませんでした。
ですから、男の子はますます人間が大好きになっていくのです。

貧しい島の暮らしの中で、けれども、男の子はいつもとても満ち足りておりました。






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