ロシアのお友達とカミュ先生の熾烈な戦いを、静かに見詰めている一人の人物がいました。 それは、校長先生でした。 校内の落ち着かない雰囲気、生徒たちがロシアのお友達派とカミュ先生派に分かれて争う様子を、校長先生は大層憂慮していました。 そうして。 校長先生は考えに考えた末、次の日の朝礼で重大発表をしたのです。 「皆さん、おはようございます。今日は、ロシアからのお友達と2年生の瞬君のことで、お話があります。先生は、仲良くするのは大変良いことだと思います。ですが、このところ学校内が少々騒がしくなっていて、皆さんも落ち着いて勉強ができていない様子ですね。そこで、ロシアのお友達が2年1組でずっと勉強してもいいかどうかを、全校投票で決めたいと思います」 校長先生の重大発表に、生徒達は、『おおおおおぉ〜 !!!! 』という、山津波のようなどよめきをあげました。 さすがは、瞬ちゃんの通うちゅうりっぷ小学校の校長先生だけあります。 どこかの島国の政治家なんかとは、レベルが1段も2段も違いました。 上からの押し付けではなく、学校生活に国民の――もとい、生徒たちの意見を反映させようという立派な考え。 これこそ、民主主義。 これこそ、主権在民です。 「投票日は一週間後です。賛成の人はロシアのお友達に、反対の人はカミュ先生に投票しましょう。投票日まで、両陣営は票を集める為の選挙活動を自由にしてもいいことにします。頑張ってください」 校長先生の号令一下、ここに、ロシアのお友達と瞬ちゃんの愛の行方を決める決選投票への苛烈な戦いの火蓋は切って落とされたのでした! |