というわけで、決戦前夜です(早いですね)。


瞬ちゃんのお兄さんはまた出張に行っているので、瞬ちゃんはまたまたロシアのお友達の家に泊まりに来ていました。

「明日の勝利を目指してかんぱ〜い!」

マーマはウォッカ、瞬ちゃんとロシアのお友達はオレンジジュースで、少々気の早い乾杯です。

「いよいよ明日決まるのね。PTA婦人会も、総力をあげてあなたたちを応援してるのよ。きっと大丈夫♪ 勝利の暁には、バラ色の学校生活が待っているのよ〜〜v」
ウォッカのせいか、マーマはいつもより舌が滑らかになっているようです。

「勝てるといいね」
「うん」
「あれ、氷河、タマネギきらいなの?」
「うん」
「ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ。ちょっとだけでも食べて?」

マーマがどん☆ と胸を叩いて勝利宣言をしてくれたので、瞬ちゃんはちょっと安心です。
自分のロシアスープのお皿からタマネギを一片すくって、ロシアのお友達の前に差し出しました。

「はい、あ〜ん」
ロシアのお友達は、嬉しいのを押し隠しつつ、ぱくっ☆
「えらいよ、はいもうひとつ」
「うん」


仲むつまじい2人の様子を、マーマは暖かい眼差しで見守っています。

「うふふ……。本当にお似合いの2人だわv リサーチによれば50:50の勝負だけど、でも、こっちには必ず勝てる要因があるのよ」
マーマの瞳が妖しく光ります。


決戦前夜は静かに更けていきました……。






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