さて、次に2人が向かったのは、お城の地下でした。 お城の2階に行こうとして起きたちょっとした(?)ハプニング。 階段から転げ落ちたロシアのお友達と瞬ちゃんは、散らばっているおやつを拾っている時に、階段の脇に、秘密の地下工場への入り口を見つけたのです。 それは、どう考えても何かが隠されていそうな地下への入り口でした。 「なんか、工場みたいなところだね」 ご存じの方はご存じの通り、氷の国の氷瞬城の地下には、小人さんたちが自費出版している本の印刷工場兼造幣局があります。 コミケが近づいてくると、氷の国の氷河が血の汗を流しながら徹夜で肉体労働すると言われている、秘密の地下工場でした。 「わぁ、小人さんたちの本が展示されてるよ」 「うん」 「見て見て、これで小人さんたちが絵を描いたりするんだって。ちっちゃくて可愛いペンだね」 「うん」 「このスイッチ、なんだろうね」 「瞬……」 瞬ちゃんには、もちろん、悪気なんかありません。 そこにスイッチがあったから触ってみようとしただけなのです。 ここのところ、ろくな目にあっていなかったロシアのお友達は、何かものすごーく嫌な予感に襲われて、慌てて瞬ちゃんを止めようとしたのですが、瞬ちゃんがスイッチを押す方が、それよりも一瞬早かったのです。 |