だから――。
そんな僕を見兼ねた氷河が、あの日、僕に言った。
おまえの気持ちを楽にしてやろう――と。
そして、そうだ、氷河は僕に暗示をかけたんだ。
悲しい――悲しい暗示。
おまえは俺が嫌いだ。
おまえは、俺に抱かれることなど望んでいない。
なのに俺は無理強いをする。
おまえは嫌がってる。
おまえは嫌悪してる。
おまえは俺に抱かれて歓んだりなどしていない。
おまえは悪くない。
悪いのはみんな『氷河』だ。
おまえに罪はない。
おまえはいつまでも綺麗なままだ。
すべての罪は『氷河』にあるんだ――。
【next】