星のほとりの王国で


〜 SIROUさんに捧ぐ 〜







白い星と青い星は数千年もの間、ずっと争い続けていた。
争いの訳は誰も知らない。

僕も知らない。

ただ、肉親や仲間たちの命を敵に奪われてしまわないために、僕たちの星が戴く女神のために、銀色の星の河をはさんで、二つの国は闘い続けてきた。

白い星と青い星は、元は同じ一つの星が分かれたものとも言われていたけれど、それが事実かどうかも、誰も知らない。

何のために闘うのかと、人に問うことは無意味だった。

同胞を闘いで失ったから。
その憎しみと悲しみに突き動かされて。

他にどんな大義が要るだろう。
僕たちの闘いに、理由は要らなかった。

求めなくても、理由は皆が与えてくれた。
そして、誰もが僕たちを褒め称えた。



  降る星よりも美しく、
  恵みの太陽よりも力強く、
  冴え輝く月よりも清冽な、聖なる闘士たち。

  あなたたちに守られて、我等は生きています。
  あなたたちの闘いは正しい。
  あなたたちがこの星から失われる時、
  我等の星と命もまた永遠の死を迎えることでしょう。




闘うための理由など、僕が考えるまでもなかった。






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