しかし――。


瞬の身体に何らかの変化が生じた――ということではなさそうだった。

瞬からは、感情も、肉体を維持するための欲望――睡眠欲や食欲――も失われた様子はなかった。
理屈で言えば、当然、性欲だけが失われているはずがない。

「あのパジャマ見つけた時、僕、運命的なものを感じたんだよね〜。すごくすごく可愛くって」 

“すごくすごく可愛いパジャマ”を、いっそ捨ててやろうかと、氷河は思ったのであ。



瞬の××拒否宣言から1週間。

拒絶されるのがわかっていて、それでも瞬の部屋で眠ろうとするあたり、自分にはマゾの気があるのではないかと、氷河は自分自身を疑い出していた。






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