「氷河が、美少年好きのニコル、口のうまいトアスと、瞬をめぐって 嫉妬バリバリの恋のバトルを繰り広げる話をお願いします」 とのことでした。 ヤスコさん、リクエスト、どうもありがとうございます! はい、そういうわけで、嬉し恥ずかし『ギガントマキア』です。 『ギガマキ』は、大変面白い作品でございました。 ページの下の部分が非常に白く、星矢絡みでなかったら、まず買わなかったであろう類の本なのではありますが、しかし、『ギガマキ』は萌えた! 『ギガマキ』には本当に本当にたくさんたくさん萌えさせていただきました。 これこそ 瞬ファンの萌えどころを適切に押さえて書かれた、見事な二次創作だと思いました。 更に、今時の読み手さんに文章を読んでもらおうと思ったら、文章は短くなければならない(らしい)ことを教えてくれた、大変ためになる本でもありましたね、ギガマキ。 (だからといって、即座に そういう文章が書けるようになるわけでもありませんでしたけれど、注意はするようになりました) 何と申しましても、ギガマキの作者さんは瞬ちゃん贔屓のようで、瞬ちゃんに対する賛辞が、これでもかこれでもかと言わんばかりに作品の随所に散りばめられていて、拝読していて実に気持ちがよかった! その上、氷河がクール! 超クール! 「(喋るのは)おっくうだ」は、ものすごい名セリフだと思いました。 散々べらべら喋りまくってから「男の戦いに言葉は不要!」と言い放ったアニメ氷河にも笑わせていただきましたが、「おっくうだ」はそれに勝るとも劣らない名セリフ。 シェイクスピアも真っ青! てなもんです。 どちらにしても笑いを誘わずにはいられないところが、氷河の氷河たるゆえんなのかもしれませんが。 今回のお題は、そのギガマキ。 ニコルとトアスと氷河、三つ巴の瞬ちゃん争奪戦――なわけなのですが。 実は、私は、瞬ちゃん(もしくは氷河)を巡って複数人が争奪戦を行なう――というような話は、(人様がお書きになった話を読むのはとても好きなのに、自分が書くのは)すーごくすーごく苦手です。 何が苦手といって、キャラをいっぱい出さなきゃならないことが。 キャラの書き分けができない私には、これは大いなる試練です。 更に、恋のバトル・争奪戦となりますと、基本的に最後に敗者が出ることになるわけでありまして。 幣サイトは氷瞬サイトですから、その敗者は当然のごとく氷河以外のキャラということになります。 私には、氷河が好きだからこそ、氷河以外のキャラを当て馬にするような話は(あまり)書きたくない――という思いがあります。 瞬ファンだからこそ、瞬ちゃんモテモテ話は書きたくないというか何というか(もちろん“恋”という次元の外でなら、瞬ちゃんは大いに人に好かれるキャラだと思ってはいますけど)。 これは氷河ファンであり瞬ファンである私の微妙なプライド――なのかもしれません。 他キャラを貶めて持ちあげるようなことをしなくても、氷河と瞬ちゃんは魅力的だと思っているので、他キャラを貶めたり、敗者にしたりすることは、むしろ氷河と瞬ちゃんを貶め、負け犬にすることだと感じてしまうのです。 私はやっぱり、それは嫌。 (↑ 意気込みだけは立派ですが、気持ちに力量が追いついていないのもまた厳然たる事実。結局 上記事態を避けるために、私の書く話は 氷河と瞬二人だけの話になることが多くなっているように思います) (& ギャグを書く時は上記の限りではありません) 「誰もが瞬(もしくは氷河)を愛している」という話が、瞬ファン(もしくは氷河ファン)に好まれることは知っています。だからこそ『総受け』なる言葉も この世界にはあるのだろうと思いますし。 しかし、ここに一つの問題が。 問題というのは他でもない、私が病的なまでに氷瞬ファンだということ。 私は、「氷河が瞬を好きで、瞬が氷河を好きであるならば、他の人間関係は(誤解されることを恐れずに端的に言ってしまえば)どうでもいい」と感じてしまうのです。 『そう考えている』のではなく『そう感じてしまう』です。思考理性の問題ではなく、完全に感性の次元の話です。 そんな私が書いた瞬ちゃん争奪戦話ですから、今回のキリリク話はおそらく ヤスコさんのご期待には沿えていません。 『恋の鞘当てでドキドキはらはら』な話には、おそらくなっていません。 「氷河は瞬を好きで、瞬は氷河が好き」は、幣サイトにおける、決して覆ることのない大前提です。 その点は、本当に本当に申し訳なく思っています。 が、なにしろ私は『Mary Sue テスト』12点(自作のパラレル話の瞬でテストした際の点数です)のもの書き。 こればかりはご容赦ください。 でも、一応、努力はしたのです。 トアスもニコルもちゃんと瞬を好きですし。 努力はしましたし、それっぽいところも多少はある! ――と思います(苦しい;) ですが、今の私にはこれが精一杯(←カリ城のルパン風にお願いします)。 そんなこんなで七転八倒しながら書いた話なのですが、そんな状況だったにも関わらず、私はかなり楽しんで この話を書いていたと思います。 書いている間が楽しかったというより、この話を書くためにギガマキを読み返している時が楽しかった。 やはり、『ギガントマキア』は最高の萌え小説だと思います。 ヤスコさん、リクエスト、どうもありがとうございました! * 作品中に、浜崎達也さんがギガマキ内で書かれた表現の一部を使用させていただいている箇所があります。ご了承ください。 * ついでに、ニコル助祭長が その風情をたたえているという 『プラクシテレスのヘルメス像』です。 |