484000カウント記念小説


484000カウントをGETしてくださったのは、森の木さん。


お題は、

「不思議なすごろくをする4人」
もしくは、
「闇鍋をする4人」


「すごろくは、映画『ジュマンジ』のように 大規模で危険があるような深刻なものではなく、城戸邸リビングでするような、わいわいしたおもしろい感じが理想です。
そして、城戸邸が舞台の聖闘士設定だと嬉しいです。
更に、まだ氷河と瞬が付き合っておらず、氷河が頑張ってる段階の設定だと、なお嬉しいです」

――とのことでした。

森の木さん、リクエスト、どうもありがとうございました!

はい。そういうわけで、双六か闇鍋です。
メールで教えていただいた『ジュマンジ』、実は私は観たことがなかったのです。
で、慌てて検索に走り、そのあらすじを見て、これは実に面白い設定だと思いました。

『双六ゲームのマス目に書いてあることが実現する』

この設定を思いついた人は 冴えてますね。
たとえば、『ネバーエンディングストーリー』のように 現実の人間が本の中に飛び込んで物語の登場人物になるとか、『 .hack 』のように 現実の人間のオンラインゲームの中での活躍を描くとか、そういうのとは全く逆の発想。
非現実が現実に飛び出してくる。
しかも現実世界に現出する非現実が、人間のモーソーとかではなくて、ある意味(ゲーム内では)既定のイベント。斬新です。
これは氷瞬で書かなければ! と、思いました。 

闇鍋もなかなか面白そうだと思ったのですが、闇鍋というものに対する私のイメージというのが、なぜか『草履が入った鍋物』。
木原敏江さんの『摩利と新吾』だったと思うのですが、そういう闇鍋シーンがあったのです。
「食べ物に履き物が入ってるなんて!」と幼な心に強烈なショックを受け、それ以来 闇鍋なるものには近寄らないことにしていたのですよね。
(幸い、私の周囲で そういう企画が立ち上がったことは、これまで一度もないのですが)

その上、私の中にはなぜか、『履き物を食べる』という行為が、コロンブス、マゼランの頃の漂流中の船における食料がなくなった時の最終手段というイメージがある。
「そんなもの、瞬ちゃんに食べさせられないー!」
ということで、484000カウントのお題は『不思議なすごろく』にさせていただいた次第です。
(冷静に考えてみれば、草履が闇鍋の必須アイテムなわけではないのですけども。普通に可愛らしく アイスクリームやショートケーキを ぶっこめばいいだけで)
(でも、それはそれで やっぱり「そんなもの、瞬ちゃんに食べさせられないー!」と思う)

昨年は、震災の影響か、国内で 家族の絆を強めようという風潮が高まり、家族みんなでできるボードゲームの類が流行ったというニュースを聞いてもいましたので、「ここは双六で行こう!」と思ったのです。

というわけで、双六なのですが。
実は私、実際に双六で遊んだことがないのですよね。
私には、双六って お正月に遊ぶゲームというイメージがあるのですが(このイメージは正しい?)、我が家ではお正月には 福笑いはしたけど双六はしなかった。
我が家では、(子供お手製の)福笑いと書初めが お正月の恒例イベントと決まっていました。
実際に遊んだことがないため、作中、ゲーム用語(?)としておかしい or 不自然な単語を使っている箇所があるかもしれませんが、そこはご容赦ください。
それと、今時の双六はルーレットが普通なのかもしれませんが、あえてサイコロでいかせていただいています。そちらも 併せて ご了承ください。

ところで、作中出てくる小正月。
ウチの田舎では、小正月を女正月と言いまして、それが1月中旬なんです。鏡開きもその頃。
そして、その日に お汁粉を食べます。必ず 小豆あん(ちなみに、その お汁粉を『あんころ餅』と呼ぶ)。

それが普通だと思っていたので、田舎から出てきてトーキョーで最初の年越しをした時、世間一般的な鏡開きが1月7日だということを知って、びっくりした記憶があります。
新年にお餅を食べて、やがて 普通の食事に戻り、「また ちょっと お餅食べたいなー」な気分になるのに1月7日は早すぎるような気がするんですが、そういうものでもないのでしょうか。
とりあえず、今回の話は、ウチの田舎にならって、小正月=1月中旬設定で書かせていただきました。

青銅聖闘士たちがチャレンジする双六は、最初は、当然のごとく恋愛成就双六を考えたんです。
出会いから始まって、お知り合いになって、告白して、手をつないで、デートして、キスをして、喧嘩して、仲直りして、恋仇が出現して云々と、そんな感じの双六。
ですが、実際に 恋愛成就双六の内容を考え始めてみましたら、恋愛絡みのイベントって意外と少ないことに気付きまして。
何と言いますか、恋愛(恋愛双六)って、同じようなイベントの積み重ね。近付き、離れ、喧嘩して、仲直りする。そんなことの繰り返し。
バラエティを求め、マス目を増やそうと思ったら、恋敵を増やすしかない。

いえ、それも考えたんですけどね。
恋敵である黄金聖闘士たちを 氷河が次々に撃退していく恋愛十二宮双六。
なのですが、撃退方法がバトルしか思いつかなくて。
それだと、ご褒美が瞬なだけの普通の(?)十二宮戦になってしまうと考えて、泣く泣く断念した私です。
(『ご褒美が瞬なだけの普通の十二宮戦』というのも、それはそれですごいバトルと言えるかもしれませんが、張り切るのが氷河だけというのは 少々問題ですし、張り切るのが氷河だけでなかったら、なおさら問題なので)

──等々の試行錯誤を重ねて、できあがった(?)今回の話の ごちゃごちゃ双六。
ボード上のゲームの進行もさることながら、複数人でプレイする この手のゲームって、そのプレイの姿勢に じわじわとプレイヤーの性格がにじみ出てきて、それが なかなか面白い。
話を書いていて、しみじみ そう思いました。
ボードゲームって、ゲーム画面に向かって一人で遊ぶタイプのものとは違う何かが学べる遊戯のような気がする。
昨年の、家族や友人たちでするボードゲームの流行、一過性のもので終わらせるのは もったいないかもしれないと思った私でございます。


何はともあれ、そんなこんなで。
恋はゲームじゃなく、生きることね!(椎名林檎さんがカバーしていらっしゃるそうですが、ここは ぜひ、しばたはつみさん風に)。
死にたくなかったら、続けるしかない!(というのが、『ジュマンジ』のキャッチコピーだったとか)。
生か死か! アテナの聖闘士・宿命の双六ゲーム!(煽るだけなら私にもできる)。

不肖わたくしめが 日本全国 有名ケーキ屋さん出現双六ゲームを夢見つつ 書いた、愛と氷瞬の双六話。
森の木さん、楽しいリクエストを どうもありがとうございました!





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