750000カウント記念小説


750000カウントをGETしてくださったのは、さえさん。


お題は、

恋宴』の続編、『聖域の中心で愛を叫ぶ』の続編、『恋人たちの末裔』の続編のいずれか。


『恋宴』に関しましては、
「大本命。宇治十帖を読むたび、男二人、つまり匂宮と薫の二人がくっつけば、女性陣が迷惑しないのに! と思っていましたので」

『聖域の中心で愛を叫ぶ』に関しましては、
「黄金聖闘士話が、とても好きなのです。オリキャラのオパリオス君もいい味だしていましたし、氷河の弟子になった彼が、その後 どうなったかも読みたいです」

『恋人たちの末裔』に関しましては、
「それこそ、あんなに HAPPY ENDで終わっているのに! と言われそうですが、設定がとても好きで、続きが読みたいなぁ、と思っていたのです」

──とのことでした。

さえさん、リクエスト、どうもありがとうございました!
続編 ご希望、かつ三択ということで、どれにしようか あれこれ悩んだのですが、悩んだ末に、さえさんが「大本命」とおっしゃる『恋宴』の続編を書かせていただきました。

で。
私は 基本的に続編を書くことを念頭に置いて話を書いておりませんので、今作は、かなり無理矢理感の強い作品になってしまったことを、先にお詫びしておきます。
一つの作品を書き終えた時点で、言いたいことは言い終えているため、同じ設定で別のテーマを見付け、それを話に組み込むことは、私の力量では かなり難しい。
適切なテーマが見付かれば何とかなるのですが、今回は それがうまくいったのかどうか、ちょっと自信がないというか、何というか。
(↑ ただの言い訳です、すみません)

『恋宴』は宇治十帖が元ネタになっておりましたが、続編も宇治十帖というわけにはいかず、今回の元ネタは『須磨・明石』の段となっております。

――というのが、まず、第一のお詫び(というか、言い訳)。
次、第二のお詫び。

今回、作中に ちょっとだけ、えっちシーンがあります。
実は、私は、『えっちシーンは(できるだけ)書かない(方がいい)』を、最近の基本方針にしておりまして(話の構成上 必要だと思えば、容赦なく書くのですが)。

そもそも、私の書くえっちシーンには色気がない。
ゆえに、私が その手のシーンを書いても、それを お読みくださる方々は あまり楽しめない。
なので、私は、自作では、その手のシーンは、なるべく『なし』の方向でいった方がいい。――という考え。
ああ、なんて悲しい理路整然。

ともあれ、そういう事情で、私は、特に リクエスト作品では、『そのシーン必須』のリクエストをいただかない限り、そういったシーンは入れないようにしています。
その手のシーンの描写が苦手な方が一定数 いらっしゃることも存じあげておりますし。

だというのに 今回は、『そのシーン必須』というリクエストをいただいたわけでもないのに、その手のシーンが入ってしまいました。
これは、やはり、今作が『源氏物語』の二次創作だから――であるような気がいたします。
本家『源氏物語』には、もちろん 情交シーンが具体的かつ詳細に描写されている箇所はないのですが、にもかかわらず、かの作品は、作品全体を覆う雰囲気が 妙に艶めかしい。
私は、その空気に流されてしまった模様。
『恋宴』から今作執筆までの間に、私が 橋本治さんの『窯変 源氏物語』を読んでしまったせいもあるかもしれません。
『窯変 源氏物語』にも、もちろん情交の具体的描写はないのですが、『窯変 源氏物語』は 他の『源氏物語』の訳本より段違いに生々しい作品なので。

それでなくても、『恋宴』は、そのシーン突入を思わせる部分で終わっていて、今作は その続編。
プロットを書いた時点で、氷瞬萌え要素が少ない気がして、どこかに二人の親密さを明示する描写を入れなければならないと、無意識のうちに思ってしまったところもあるかもしれません。

そして、第三のお詫び(これがまた、根本的すぎて情けない言い訳だったり)。

『源氏物語』という作品は、二次創作を行なう上で、なかなかに厄介な作品です。
そのあらすじは誰もが知っていると思うのですが、どこまで詳細に知っているかということについては、本当に人それぞれ。
私自身、原文を通しで読んだことは(当然のことながら)ありません。
原文で読んだのなんて、せいぜい『若紫』の冒頭部分を ほんのちょっとだけ。
現代語訳を読んだことはありますが、現代語訳には訳者の解釈・好みが多分に加味されますからね(訳本は、そこが面白いといえば面白いのですが)。

つまり、そんなふうに、『源氏物語』は、『しらゆき姫』や『シンデレラ姫』と違って、みんなが全ストーリー・全エピソードを知っていること前提でのダブルパロが書きにくい作品なのです。
当然のことながら、その二次創作作品には、『源氏物語』を全く知らない方にも楽しめて、あまり詳しくない方にも 理解でき、原典に詳しい方には くどく感じないような 説明が必要になる。
今回は、そのあたりの加減がうまくできたような気がしません。
『恋宴』は、ダブルパロと言えるほど『源氏物語』のストーリーとの絡みがなかった(単なるモチーフだった)のですが、今作は結構『源氏物語』のストーリーと絡み重なった話になっているので、設定が ごちゃごちゃして、内容が相当 わかりにくいものになってしまっているのではないかと思います。
「ここのところ、意味がわからないー」というような箇所がありましたら、どうぞ お知らせくださいませ。
私の力量でできる限りの改善を試みたいと思います。


うーん。
見事に言い訳ばかりで、自分でも呆れてしまう。
本邦が世界に誇る名作古典であるだけに、『源氏物語』は容易に攻略できない難敵でした。

そんなこんなで、至らない点は 多々ありますが、未熟者なりに努力はしたということで、ご容赦いただけましたら幸いです。
さえさん、リクエスト、どうもありがとうございました!

せっかく匂宮(氷河)と薫の君(瞬)がくっついたのに、周囲は大迷惑なことになってしまって、申し訳ありません……。





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