『青い瞳の…』1周年記念座談会




『青い瞳の…』シリーズが始まって1年後のクリスマス・イブ。
クリスマスケーキも食べ終わった青銅聖闘士5人は、ネタに詰まった作者の命令で、毎度お馴染み城戸邸ラウンジにて、この1年を振り返るための座談会を開かざるを得なくなりました。

以下、その時の模様です。



紫龍 「……まさか、本当に1年続けるとは……」
星矢 「この話、最初は、Pale−greenさんのクリスマス企画に投稿した単発ストーリーだったんだろー?」
「だから、キャラ設定が破綻してたじゃない。紫龍なんか途中から別人だよね」
氷河 「……(何がどーでも文句は無いので、無言)」
一輝 「……(今更不満を言っても、弟の貞操は元に戻らないことを知っているので無言)」
紫龍 「そうだ。俺なんか、最初はごく普通のキャラだったぞ」
星矢 「俺もー」
「(にっこり微笑って)僕も」
氷河 「……(『“普通”よりずっと可愛いが』と言いたいが無言)」
一輝 「……(『この話で“普通”なのは俺だけだ』と思っているが無言)」
紫龍 「ふ…普通か、瞬。おまえが?」
「僕、普通だよね、氷河?」
氷河 「(非常に好意的に“普通”ではないと思っているが、瞬が肯定の答えを期待しているのがわかるので頷く)」
「ほら」
紫龍 「……(普通でない氷河に“普通”がわかるわけがないと思いつつも、瞬に逆らうことなど思いもよらず、無言。しかし、そんなことを考えている紫龍とて普通ではない)」
「なんたって、きゃわおかーさんがそのつもりで書いてたんだもの。『青い瞳』の僕は、『氷河と瞬ちゃんシリーズ』 (注1)の僕よりちょっとお利口で、『青い瞳』の氷河は、『氷河と瞬ちゃんシリーズ』の氷河よりちょっと寡黙っていう設定だったんだよ」
 注1 『氷河と瞬ちゃんシリーズ』
かつてきゃわがアナログで書いていた学園物。
超我儘な氷河と、超おバカさんな瞬ちゃんと、超氷河×瞬な紫龍の織りなすラブ・コメディ……だったような、違うような……??
そのシリーズの中に『氷河と瞬ちゃんの A TWELVE MONTH』という、氷河と瞬ちゃんの1年間を綴った1冊があるのです。


星矢 「あ、確かに、ちょっと利口だよな」
「きゃわおかーさんが去年の今頃聞いてた、ロシア民謡のテープの中に『黒い瞳の』 (注2)が入ってて、それで安直にできた話らしいんだけど」
  注2
こちら
に歌詞があります。『黒い瞳』を『青い瞳』に、『とうさま』を『にいさま』に置き換えてお歌い(?)ください♪


紫龍 「安直を無理矢理1年続けるから、恐ろしいんだ、彼女は」
氷河 「……(『続けてくれてありがとー♪』と思っているが無言)」
一輝 「……(『続ける以前に始めること自体が間違っている』と思っているが無言)」
星矢 「んでもさー、さすがに後半は破綻してたけどさー、目を見りゃ全てがわかるって、SFな設定だよなー。現実にはありえない話じゃん?」
「“目”は単なる象徴でしょ? 人を理解するには、まずその人を虚心に見詰めるところから入るべきだって、おかーさんは言いたかったんじゃないの? 見なきゃわかんないし、見ないでわかったつもりになるのも危険だし、人を理解しようとしたら、まずその人を見ようとしなきゃ…って」
紫龍 「それで理解した上で、おまえは氷河を好きになったのか」
「理解はできてないの。まだ、少ししか。でも、理解できたかどうかは問題じゃなくて、氷河が僕を見ててくれて、僕を理解しようとしてくれてる気持ちが、僕は嬉しかったの」
氷河 「……(感激のあまり無言)」
一輝 「……(怒りのあまり無言)」
「それに、理解と好悪の感情は別物だよね。人が、自分に理解できる相手を好きになるとは限らないよ。理解できるから嫌うこともあるかもしれないし」
氷河 「……(嫌そうに一輝を見る)」
一輝 「……(嫌そうに氷河を見る)」
「好きになるために理解しようと努力して、結局嫌いになったりすることもあるかもしれないし」
氷河 「……(努力もしていないのに理解できる自分が嫌で、一輝から目を背ける)」
一輝 「……(努力もしていないのに理解できる自分が嫌で、氷河から目を背ける)」





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