瞬は、知らないわけではなかった。
言葉にはしなくても、氷河の眼差しや態度は、いつも瞬に訴えていたから。
『俺の生きる目的はおまえだ』――と。
ただ、瞬には、自分が氷河にどう応えればいいのかがわからなかったのである。
言葉より確かに感じ取れるものが、二人の間には既に存在するのに、それ以上の何が必要なのかが、瞬にはわからなかったのだ。
【next】