『転生されて、最初にお召しになる相手が、よりにもよってアテナの聖闘士とは』 『この細い身体で、アベル様のお相手を務めるのは、きついだろうに』 『死んだ女もいたな』 『いや、あれは、あの女が、太陽神に愛を授かる光栄に狂喜しすぎて勝手に死んでいっただけのこと』 『アトラス。無駄なお喋りをして、アンドロメダを恐がらせるな』 『いや、恐がっている方が、アベル様も興が乗るのではないか』 『かもしれぬな。おい、アンドロメダ。アベル様には逆らわぬ方がいいぞ。何をされてもな』 昨夜聞いたアベルに従う聖闘士たちの声が、ぼんやりと思い出された。 傷の残っている身体で太陽神の愛を受け入れるなどということは、許されることではないらしい。 瞬が負っていた傷は、瞬に怪我を負わせた者たちの手によって、すべて癒された。 汚されるために、身体を清めるという矛盾した儀式を済ませて、瞬はアベルの許に連れていかれたのである。 |