■ Ride On Time あとがき ■





お久しぶりのパターン研究でございます。

どうも私のエロ神様は、降臨したり失踪したりの動きが慌ただしいらしく、決して怠けていたわけではないのですが、来てくれないものは仕方がない! ──ということで、ここのところ、ちょっと清らか路線を歩んでおりました;;


さてさて、それはともかく、今回のパターンについてです。
今回の話は、星矢や氷瞬パロのパターンというよりは、やおいのパターン。
いわゆる『年下攻め』でございます。

がっ。
ここで告白させていただきますと、私は実は、氷河×瞬以外のやおい話というのを、ほとんど読んだことがありません。
星矢の氷瞬以外のカップリング話はもちろん、いわゆるボーイズラブ小説やマンガとも、とんとお付き合いしたことがないんです(勉強不足すみません;;)。
『年下攻め』なんて、そういうジャンル(分類?)があるということは存じあげていますが、読んだことは一度もなく……。
なので、今回の話も、『年下攻めってこんなものかな〜?』と、勝手に推測しながら書きました。
世間一般の『年下攻め』話と違っていましたら、申し訳ありませんです。


しかし、調べてみましたところ、この類の分類って、受けと攻めの関係だけでも、
『誘い受け』、『襲い受け』、『俺様受け』、『俺様攻め』、『健気受け』、『年下攻め』、『年上攻め』、『下克上』に『リバーシブル』。
これ以外にも、『女王様受け』、『女王様攻め』、『鬼畜受け』に『鬼畜攻め』等々、そんなんありえるのかー!? と思うようなものまで、それはそれはたくさんの種類がございまして。
それぞれ数パターンが被ることも多いのでしょうが、それにしても……と驚いてしまった私です。

ワタシ的には、氷河とが瞬ちゃんが俺様でも年下でも年上でも鬼畜でも、『氷河=攻め&瞬ちゃん=受け』の形さえ崩れなければ、何でも書けるとは思うんですけども、『何でも書ける』と思えてしまうのは、氷河と瞬ちゃんのキャラ設定が自分の中に確立できていないからなのかしら? と、ちょっと悩んでみたりもします。
それって、いいことなんでしょーかね?





◆◇◆ とりあえず、今回のパターンポイント ◆◇◆

年下攻め
家庭教師と生徒
捨てられた動物を拾う(“優しさ”を示すのに多用される手法です)
で、今回も、瞬ちゃんは、無理矢理だろうが何だろうがいい気持ちv


今回はこれくらいでしょうか?





◆◇◆ 今回の反省点 ◆◇◆

年下攻めと快楽の有無
 わたくしめ、なんとなく思ったんですけども。
既に身体のできあがっている年齢のキャラでの『年下攻め』はともかくも、小学生・中学生レベルの『年下攻め』の醍醐味は、攻めキャラの方が体格的にも小さいことなのではないかと思うのです。

なのに、おそらくは、物理的な力では撥ね返せない何らかの力によって、体格の勝る者が体格の劣る者の受けにまわる。
その力は、権力かもしれないし、脅迫の材料になるような弱みかもしれないし、もちろん愛情であるかもしれないわけですが。

その、『年下攻め』の醍醐味であろうところの『体格の差』を、今回、私は有効利用できなかったと思います。

どーもなー。
この話で、氷河は、小学校低学年でもよかったんですよ、ストーリー的には。
なのになぜ、氷河の年齢を6年生まであげたかというと、それは、つまり、氷河にも気持ちよくなってほしかったから、です。
氷河にも、ちゃんとイタせる程度には発育していてほしいと思ったわけなんですね、私は。
つまり、何と申しますか、氷河と瞬ちゃんの二人ともがいい気持ちになってくれないと、ワタシ的には氷瞬やおいを書く意味がないんです。

これは、『氷河=攻め&瞬ちゃん=受け』でさえあれば何でも書ける(かもしれない)私の、限界(?)なのかもしれない。
どっちかだけが気持ちよくなって終わるえっちなら、むしろ氷河×瞬では書きたくないと思ってしまうのです。

何でも書けそうで、その実、なーんにも書けないのが、二次創作というものなのかもしれないですね。
これがオリジナルなら、それが自分の作ったキャラなら、自分の思う通りに変えることができるじゃないですか。ストーリーをこう進めるために、こう動かさなきゃならない──というのなら、そう動かすでしょう、書き手さんは。

でも、二次創作では、たとえ脳内といえど、このキャラはこういう性格で、こういうふうな価値観を持っているという変えることのできない設定・制限があり、しかも、それが好きなキャラだったりすると、幸せになってほしいという願望なんかもあったりして、書き手にストーリー展開の限界というものをもたらすのです。

愛があるからできることと、愛があるからできないことが、パロディ界には存在するようでございます……。





◆◇◆ 今回のおまけ その1 ◆◇◆

〜 元ネタ 〜

今回の話の元ネタは、実は『千と千尋の神隠し』だったりします。
小学生氷河=カオナシですね。

まあ、今更、私が『千と千尋』を語ったところで目新しい意見が出てくるものでもありませんし、実際、私は、あの映画自体は大変楽しんで拝見しましたが、あの映画が何を言いたいのかはさっぱりわかりませんでした。
ラストのテーマソングを聞いて、何となくわかったような気になっただけで、真の意図は真面目に全然わかりません。今もわからないままです。
(あ、ハクが可愛いことだけはわかります。もちろん♪)

ただ、カオナシみたいな人は、ネット界にはよくいるな〜 と思いました。
あ、↑ このネット界というのは、氷瞬界ではないです。星矢界でもない。もしかすると、パロディ界ですらないかもしれない。
むしろ、二次創作者、特にやおい書きには少ないような気がしますね、カオナシ系の人間は。
やおいかきは大抵、堂々と自分の創作活動を誇れる方々とは違って、逆境の中で突っ張りながら頑張ってるし、純粋創作の方々より報われやすいから。
逆境にいれば、人間、あれもこれもと多くは望まないものですし、しかも報われることが多いとなれば、満たされない気持ちや飢餓感はあまり切迫しませんしね。

* はっきり言いますと、メンタルヘルス系サイトの症例等でよく見掛けます。

(にしても、これは、千と千尋をご覧になってらっしゃらない方には通じにくい書き方だ;;
カオナシくんは、千尋ちゃんをとっても好きなんだけど、どうすれば彼女の好意を得ることができるのかわからなくて、モノ(千尋以外の人間が欲しがるもの)で千尋を釣ろうとして大暴れする、非常に陰の薄い生き物(?)です。自分の大切なもの、自分の価値観を見付けることができずにいる存在、かな)

カオナシくん、あの弱気と強気が私のツボを刺激してくれたのかもしれないです;;


あ、ちなみに、この話が表の畑ではなく、黒い畑に植えられることになったのは、えっち描写がどうこうということでは全くなく、設定が不健全かつ無理矢理えっちがあるからでございます。
そこのところ、よろしくご了承くださいませ(ぺこ)





◆◇◆ 今回のおまけ その2 ◆◇◆

〜温故知新な名セリフ〜

ところで、私は、今回も、憧れの名セリフ、『今度はお前の凍った心を俺が溶かしてやる!』を氷河に言わせることができなかったわけなのですが、『今度はお前の凍った心を俺が溶かしてやる!』ほどではないにしろ、それなりの名セリフを何箇所かで言わせることができました。
いや、むしろ、それらは、名セリフではなく、陳腐のイメージが大きすぎて使いにくくなってしまったセリフ──なのかもしれませんが。

『どう? 気持ちいい?』だの『俺が教えてやるよ』だのというセリフは、××後の『よかったか?』と同じくらい、ありがちを通り過ぎて、最近なかなか言わせられないセリフ。
同じ意味のセリフを言わせるにしても、昨今は大抵、それなりの変化をつけると思います。

しかし、そういうセリフも、小学生なら言わせられる。
小学生なら、それが、こういう場面ではありがちな、陳腐なセリフだということを知らないのですよ!
これは、なかなか楽しゅうございました。

(古)クサいセリフを、そうとは知らず、真面目・真剣に言う氷河。
せっかくの機会ですから、多少不自然でも、今回、氷河に、『よかったか?』を言わせておけばよかったと、書き終えてから後悔した私なのでした……。





◆◇◆ 今回の注意事項 ◆◇◆

『“○道◇逆△攻め”とは何ぞや』などということを、良い読み手さんは考えてはいけません。




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