寝室に移動して、無邪気な獣の前に身体を投げ出す。
氷河に命じられるまま、瞬は赤面せずにはいられないようなことをさせられていた。

だが、氷河は、何をするにも真剣そのものなのである。
しかも、彼は、瞬のために、それをしていた。
「気持ちいい? 瞬、どう?」

眉根を寄せて喘いでばかりいる瞬に、瞬を弄っていた手を止めて、心配そうに氷河が尋ねてくる。
「あ……やめないで……氷河……」
「気持ちいいのか、瞬?」
「ん……いい……だから……」

「うん!」
瞬のその答えを聞くや、氷河は嬉しそうに笑って愛撫を再開する。

氷河は、もちろん最後には彼自身の獣欲に我を忘れるのが常だったが、そこに至るまではいつも、瞬のためだけに自身の身体を使っていた。
氷河が我を忘れて瞬に挑みかかり、瞬の快感が最も高まる時に、瞬はいちばん悲しかった。

なぜ悲しいのかがわからないほどに悲しく、悲しいことが瞬の身体を切なくし、身悶えさせ、結局瞬は氷河をより深く求め、せがんでしまう。


そんなふうに乱れきった後に、氷河の無邪気に嬉しそうな瞳に出会うと、瞬の自己嫌悪はますます大きくなっていくのだった。






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