■ 死の森 あとがき ■





またまたまたまたご無沙汰しておりました、パターン研究。
今回は、パターンの殿堂(?)、『館物』でございます。(『かんぶつ』に非ず、『やかたもの』)(←ギャグに非ず、単なる蛇足)
ミステリーの、ギャルゲーの、そして、もちろん、やおいの黄金パターン、閉鎖空間・密室もの、『泣け、わめけ、こんな人里離れたところにある館には、誰も助けに来ないよ〜ん』なのです。

ま、私は、館物の利便性や長所を、全く有効利用しておりませんが。
瞬は泣きわめけない状態にしちゃったし、氷河は同じ屋根の下にいるくせに、瞬が襲われてることに気付きもしない。
こんなことでいいのかと思いつつ、それでも我が道を行かせていただく私です。






◆◇◆ そういうわけで、今回のパターンポイント ◆◇◆

森の奥の不思議な館
薬物使用(『身体の自由は奪われるが、感覚は残る』は、お約束の効用です)
ある種の拘束(館から出られない)
迷い込んだ外部からの訪問者に、受けキャラが心惹かれていく(のもパターンのような気がします)

まあ、でも、今回のパターンポイントは、『館物』の一言ですべて言い表すことができましょう。





◆◇◆ 今回の反省点 ◆◇◆



パターン、パターンと言いながら、パターン通りに進みません〜;

初心を思い出すんだ、私!
私が、黒い畑を作ったそもそもの目的は、誰かに無理矢理××されちゃって、汚された我が身を嘆く瞬ちゃんに、
「今度はお前の凍った心を俺が溶かしてやる!」
の名セリフを言う氷河を書くためだったはずでしょう!
恥ずかしいだの何だの言ってる場合じゃないぞ、自分!

でも恥ずかしいの……。

ああ、せめて、『おまえが今どういう顔をしているか、よく見てみろ』の鏡プレイくらいはさせたかったです。
けど、でも、瞬ちゃんが映らない鏡では、それも無理。
せっかくの黄金設定を生かしきれてないよなあ、私;






◆◇◆ 私のやおいの限界 ◆◇◆

まあ、これは以前から自覚していたことなのですが……。
私には、黄金パターン中の黄金パターン、『口ではそう言っても、カラダは正直だな』が書けません。
お薬や錯覚の利用等、多少の小細工を加えれば何とかなるんですが、純粋に(?)、好きじゃない相手にナニかされて、感じたくないのに感じちゃう(そして、罪悪感にさいなまれる)──のパターンが書けないんです。

理由は主に二つ。

理由1 ウチの瞬は氷河が好きなので、氷河じゃないとホントにダメだから。
理由2 私が、瞬ちゃんの勃起及び射精の描写を(あまり)したくないため、男性生理の最大弱点箇所を攻める敵さんを書けないから。


理由2は、私個人の、技術的(というか、好み。というか、最後の羞恥心)問題であると同時に、理由1から派生した理由でもあります。
若くて健康な肉体の保持者であるにしてもです。好きでもない相手(氷河以外の相手)にアレコレされて、一部分だけ元気にならないでほしいんですよ、瞬ちゃんには。
ウチの瞬は、えっち行為の9割をメンタル方面に支配されています。純粋にフィジカルに楽しむことができません。
これは多分に、女の感覚なのだろうと思います。やおい的には、(おそらく)間違い。
『やおい自体が、そもそも間違っている』という一般論は置いといて、私がエロを極められない理由はここにあるのだろうな、と思います。

氷河と瞬ちゃんなら、ナニをしてもいいと思うんです。色々やって、楽しんでほしいと思います。そんなふたりを書いてみたいとも思う。
でも、そこに、『私の好み』という制約が入るのですね。

お道具プレイなんかだと、
『氷河、そんなフザケたモノ持ち出さずに、自分の持ち物で勝負しろーっ!』
とか思っちゃう(だろうと思う)。
(ただの悪戯や前戯の趣向ならともかく、フィニッシュがそれ使用だったら、ちゃぶ台投げるくらいのことはしそうです)
(↑ あ、誤解なきよう。『ウチの氷河が、ウチの瞬に、そんなことしたら』です)

瞬ちゃんが気持ち良くなれないのも嫌。
(まあ、相手が氷河でさえあれば、ウチの瞬は、どういう事態ででも、気持ちよくなれる体質の持ち主ですが、SMのためのSM、痛さを求めたプレイはダメかも。気持ちよさを求めたのに失敗して(?)痛くなっちゃうのは許容範囲)

お道具ダメで、SM系もダメで、体位なんか正直言って、『ハマってりゃいい』と思う私。 
こんな私がエロの追求なんかしたって、たかが知れてます。

ああ、もう、何と言いますか。
何モノにもとらわれることのない、自由な発想と柔軟なココロがほしいです。
そうしたら、私は、私の羞恥心の壁(?)を超えることができるのかもしれないのに!
(ま、越えていいのかどうかは置いとくとして)






◆◇◆ 私のやおいの逸脱 ◆◇◆

やおいの限界とは、また違うんですが。
自分の萌えと世間様の萌えのズレが、気になることがたびたびあります。
んーと、たとえばですね。

すっごくセクシーな女性に迫られてるのに、ナニも感じないで平然としてて、プライド傷つけられたその女性に、
「なにさ、このイ○ポ野郎!」
なんて罵倒される氷河に、(私は)すっごく萌えます。
そういう氷河は理想の極み、男の中の男一匹、夢見心地にうっとりします(もちろん、瞬ちゃんに相対した時には、獰猛かつ元気なケモノになっていただきたいですが)。

現実的でないなんて意見は聞きません。嘘っぽくてもいい。ありえなくてもいいんです。
これが私のやおいの理想、やおいのドリーム。やおいの理想郷にして、やおいの天国、やおいのパラダイス、やおいのシャングリラ、やおいの桃源郷、やおいのユートピア、やおいのアルカディア、やおいの極楽浄土です!(←阿呆)

しかーし。
これ、世間一般的にはどうでしょう?
それがたとえ、全く事実に反する罵倒でも、不能呼ばわりなんて、あまり人様に喜ばれるシチュエーションではないと思うのです(特に氷河ファンの方には)。
でも、私は萌える。

そんなふうなね、ちょっとした感覚のズレにね、私は時々不安になるのです……。


あ、でも。
書き手の好みが、いわゆる“世間一般”と全くズレていなかったとしたら、その書き手は、意外性のある話が書けないということになります。
そして、実際には、“世間一般”の明確な基準標準なんてものは存在せず、書き手さん読み手さんのそれぞれの好みというものがあるにすぎない。
だからこそ、色んな作品があって、色んな読み方・感じ方があって、パロ世界は楽しいとのだと思いますが。
(とゆーか、そう思いたい私です)






◆◇◆ 今回のおまけ ◆◇◆

■おまけその1

『照魔鏡』は、辞書によりますと、『悪魔の本性を映し出す力のある鏡の意』,『社会や人間の裏面をあばき出すもの』となっております。


■おまけその2

おなかが減らず、眠らなくても平気ということは、サガがいた館では、通常の新陳代謝が行なわれていなかったということになります。当然、おト○レにも行く必要はなかったでしょう。
そういう空間で、果たして、人体は×××を作り出し、また、それを体外に放出することは可能なのか? 大いなる疑問でございます。
(↑ 『×××』を『涙』と思うか『○液』と思うかで、まあその色々と何ですね、むにゃむにゃむにゃにゃ〜;)


■おまけその3

今回の話、冷静になって考えてみれば、一見シリアス風ですが、実は瞬ちゃんの単なる早とちり物語だということには、気がついても言及なさらないよう、よろしくお願いいたします〜(ぺこぺこぺこぺ〜)





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