「欲しいものは、手を伸ばせば手にはいるのかなぁ?」
 氷河の隣に腰掛けて瞬がつぶやいた。
 満天の星を窓から見上げて。
「少なくとも何もしないで手に入れようと願うのは虫が良すぎるよな」
「…そだね」
 並んで腰掛けるふたりは、寄り添ってはいなくて。
 だからふたりのあいだに空いている、そのふしぎな空間を埋めたくて。
 瞬は手を伸ばした。
「…瞬?」
 熱い手が、氷河の腕を掴んだ。
「…ずっといっしょにいけたらいいね」
 瞬が笑った。



END






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