「おまえは、桜なんかの百倍も千倍も綺麗だ! 俺はおまえだけが好きだし、おまえしか好きになれない! 一生おまえだけだから、俺を許してくれっ!」 その日その時から、氷河は、紫龍が隠し撮りしていた『白鳥座の聖闘士・一世一代の大告白』なるビデオを繰り返し見せられ、その回数分、瞬の前で平身低頭している様を、紫龍や星矢や、某女神にまで笑い飛ばされる羽目に陥った。 瞬以外の誰かにその恥ずかしいセリフを聞かれるのは、氷河には耐え難い屈辱だったのだが、おかげで、氷河は、少しずつクサいセリフへの免疫を養うことができた。 もっとも、どんなクサいセリフを囁かれても、瞬はただ嬉しそうに、 「ばか」 と答えるだけなのだが。 Fin.
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