騎士道精神華やかなりし頃のことです。 コーンウォールのカミュ国王は、独り身の気楽者。 歳も見栄えもそれなりにいい男なのに、後継者を作れという臣下たちの諫言にも関わらず、いつまでたっても身を固めようとはせずに、戦ばかりしていました。 カミュ国王には、氷河という名の甥がひとりいて、彼は、国はその甥に継がせればいいと思っていたのです。 けれど、その甥がまた、伯父に輪をかけた呑気者で、王という責任ある地位に就くのが嫌で嫌でたまりません。 なので、王に後継者作りを勧める急先鋒が、後継者の指名を受けているカミュ国王の甥自身という、おかしなことになっていたりするのでした。 ともあれ、周りの者たちがあまりにうるさいので、カミュ国王は毎日辟易しながら暮らしていました。 |