ヒョウガは、もちろん、大獅子を仕留めました。
ヒョウガにはアテナの加護もありましたし、恋の成就という明確な目的を手にしたヒョウガには、それは、やり甲斐のある仕事でもありました。

獅子を倒したその足で、ヒョウガはオイノピオン王の城に赴きました。
王の前に、大獅子の死骸を投げ出しますと、王は大層喜んで、早速ヒョウガのための宴を催してくれました。

けれど、ヒョウガの欲しいものは、この島の王侯たちの賛美でも、美味い酒でもありません。
そして、王は、ヒョウガの求めるものを、なかなかヒョウガに差し出そうとはしませんでした。

毎晩、大獅子を倒した英雄のために祝宴を開いてはくれるのですが、王は決してヒョウガをメロペ姫に会わせようとはしなかったのです。






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