「……瞬は?」

俺は、星矢や紫龍を殴り倒して、鬱憤を晴らすわけにはいかなかった。
無論、ぐずぐずと落ち込んでいるわけにもいかない。
痛む頭を押さえて、俺は、二人に瞬の所在と様子を尋ねた。

今は、何よりも、瞬に謝罪して、俺の不手際を――不手際の一言で済ませられるようなことではないが――許してもらわなければならない。
許してもらえるものならば――だが。

「瞬の部屋だ。夕べからずっと出てきていない」
「俺たちも何度も呼びに行ったんだけど、閉じこもったままなんだよなー。おまえ、土下座して謝って、連れてこいよ。瞬、夕べから何も食ってねーし」
「まあ、色々とショックだったんだろう。瞬の部屋の前で裸踊りでもしてみたらどうだ? そうすれば、天の岩戸も開くかもしれないぞ」

星矢と紫龍が、実に投げ遣りな助言を、俺に投げてよこす。
裸踊りをしてみせれば、瞬が部屋から出てきて、俺を許してくれるというのなら、俺はおそらくそうしていただろう。






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