「マモルくんに、素敵な友だちがたくさんできるといいね」 氷河の肩に頬を預けながら、瞬が呟く。 真実を知れば、瞬は泣くだろう。 自分が傷付いたからではなく、自分が悲しいからでもなく。 幾日も泣き、いつまで経っても忘れないに違いない。 だから──氷河はやはり瞬に真実を知らせるわけにはいかなかった。 病気の子供はいなかったことにしなければならないのだ。 他の誰でもない、確かに生きて存在した病気の子供のために。 「もう できたさ」 彼が知る限り最も強い人間の肩を抱いて、氷河は低く答えた。 Ｆｉｎ．

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