神の見る夢






だって、小宇宙が違ってた。
小宇宙が熱く燃えていた。
あれほど熱くて、攻撃的な小宇宙を、兄さん以外の人が持っているなんて、そんなこと、僕には考えられなかった。

あの小宇宙は、僕が傷付いていることに憤っていた。
燃え盛り、うねり、苛烈な爆発を繰り返す炎の塊りのように。
あの小宇宙は、僕が幸福であることを願っていた。
永遠に冷めることなく、熱く燃え続ける溶岩のように。
そして、あの小宇宙は、僕を愛していた。
大きく燃え上がり、一瞬で燃え尽きても悔いることのないような激しさで。

だから、僕は――。






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