それから 二人がどうなったのか、その先のお話を聞きたいですか? 皆さんは、もう ほとんど わかっているようですけれど。 すべての愛の心は消え去ったという瞬の思い込みと、氷河の献身への瞬の負い目は、氷河のキスで消えました。 その途端、瞬の中では、まるで宇宙開闢のビッグバンのように、愛の爆発が起こりました。 ピュシスの天なる愛の意思が、自分より大きな力を瞬に与えずにはいられないほどの愛。無限の愛。 瞬は 再び、ピュシスで最も清らかで強い愛の力を持つ者になりました。 けれど、瞬はもう、何百人もの召使いに かしずかれる白亜の豪奢な王宮の主人になることはしなかったのです。 瞬は、荒野に小さな家を建て、そこで氷河と二人で暮らしました。 瞬は、ピュシスで最も強い力を持ち、ピュシスで最も高い地位にあるので、国のために 色々しなければならないことはありましたけれどね。 氷河は相変わらず従者の身ですが、瞬に愛してもらい、その上 恋してもらってもいるので、幸せなことでは、氷河は ピュシスの世界で第一番の人間だったでしょう。 互いを思う二人の愛が、二人を 幸せな二人にしました。 いつも、どんな世界ででも、愛は そのために あるのです。 Fin.
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