11月22日

ナターシャ、へんなゆめをみた。
ゆめだったのかなあ。
ナターシャ、きょうは、こうえんで ねっとくらいみんぐで いっぱいあそんだから、おうちにかえってから、いいこで おひるねしてたの。
そしたら、ゆめのなかに パパとシュンちゃんがでてきて、ねむってるナターシャのかおをみて、
「かわいいね」
って、ほめてくれた。
それで、おこすのは かわいそうって いいながら、ナターシャのおへやをでていこうとして――。

ナターシャ、おきようとしたんだよ。
でも、なんだか すごく ねむくて、めをあけられない。
だから、ナターシャ、ねむってたの。
ねむってたんだから、ナターシャの おへやのどあのところで、パパとシュンちゃんがぎゅうってして、キスしたのは みえなかったはずなんだよ。
なのに、みたようなきがする。
ゆめだから?
あれは やっぱり ゆめだったのかなぁ。

おひるねから おきて、りびんぐにいったら、シュンちゃんがきてた。
おみやげは、うちがわが もふもふの あかいキャスケット。すごくおしゃれで かっこいいぼうし。
おそろいのてぶくろも もふもふでかわいい。
ナターシャに けっさくをもらった おれいだって。
シュンちゃんは、ナターシャのけっさくを おべんきょうべやのかべに かざって、まいにち みてるんだよ。

あれはゆめだったのかなあ。
ナターシャは めをつぶってたんだから、みえたはずないんだもの。
やっぱり ゆめだったんだよね?


11月23日

しょうげきのじじつ、はんめい!
パパはおしごとで、シュンちゃんも やきんで、ナターシャ、きのうはシリュウおじちゃんのおうちに おとまりだったの。
それで、ナターシャ、シリュウおじちゃんに、シュンちゃんをナターシャのマーマにするにはどうしたらいいか、そうだんしたんだよ。
いいさくせんがあったら、おしえてって。

そしたら、シリュウおじちゃんがおしえてくれたの。
パパとシュンちゃんは、ナターシャがくるまで コイビトどうしだったんだよって。
でも、いまは、なんとなく ちがうんだって。
ナターシャ、びっくりだよ!
だって、パパはそんなこと、ぜんぜん いってなかったのに!

パパは、たいせつなひとがひとりいれば、それでいいとおもって、ほかのことはどうでもよくなるオトコなんだって。
シリュウおじちゃんは、そういった。
パパのマーマがいたときには、マーマだいすき。
せんせいがいたときには、せんせいにほめてもらえる まじめな いいこ。
いまはナターシャがいるから、ナターシャのことばっかり かんがえてる。

パパにたいせつなひとがいるとき、シュンちゃんは、そっと パパから はなれるんだって。
パパのじゃまをしたくないから、エンリョするんだって。
いまはナターシャがいるから、パパとナターシャのじゃまをしないために、ナターシャをそだてる おてつだいはするけど、パパのコイビトでいることはやめて、シュンちゃんは パパのシンセツなオトモダチになってる。
パパとシュンちゃんがとってもなかよしだと、ナターシャが『パパをとられる』って、ふあんになるかもしれないから。

ナターシャ、ぜんぜん ふあんになんかならないのに。
ぎゃくに、こまるのに。
ナターシャ、すごく こまるよ。
ナターシャは、かっこいいパパと、やさしいマーマのりょうほうが ほしいんだから!

ナターシャが おおきなこえでどなったら、シリュウおじちゃんは、シュンちゃんに そういってやれって。
パパも、もしかしたら、ナターシャがいるから、シュンちゃんにエンリョしてるのかもしれないって、シリュウおじちゃんはいった。
パパとシュンちゃんは いま、ちょっと ヨソヨソしくて、カタクルシクて、タニンギョーギになってるんだって。

タニンじゃないと、パパは シュンちゃんにあまえて、ナターシャのせわを ぜんぶシュンちゃんに まかせちゃうかもしれないから。
パパは、じぶんが じょうずにナターシャをそだてられてるか、じしんがないんだって。
だから、シュンちゃんが いつもそばにいると、シュンちゃんにたよっちゃうから、そうならないように エンリョしてるんだって。

オトナって、ほんとに、ヤヤコシイよ。
パパとシュンちゃんは、いっしょにナターシャをそだててくれればいいんだよ。
それだけのことだよ。
ナターシャが そういったら、シリュウおじちゃんは、
「もしかしたら、ナターシャは、シュンより あたまがいいかもしれない」
って、ほめてくれた。
パパとシュンちゃんに ケツイさせることが、ナターシャにならできるかもしれない。きっと、ナターシャにならできる――って。

シュンちゃんをパパのコイビトにして、ナターシャのマーマにする けいかく。
ナターシャは、ぜったいにせいこうさせるよ!
ナターシャが せんしゅせんせいすると、シュンレイおばちゃんが、がんばってねっていって、エッグタルトを ごちそうしてくれた。
あまくて、とっても いいにおいがして、すごく おいしかったよ!






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